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5話
周りを見るとこれから起きることが分かって
いるのか、ニヤついている人が沢山いた。
あぁ、こんなに沢山いたのかと、今気づいた。
僕は大きく息を吐いて話し始めた。
「Bonjour, enchanté. C’est Yoshinaga.
(こんにちは。はじめまして。吉永です。)
Je suis de Saitama.
(埼玉出身です。)
J’aime faire le gâteau.
(お菓子を作るのが好きです。)
Dans cette classe, je veux faire de mon mieux pour apprendre beaucoup de choses. J'ai hâte de travailler avec vous.
(この授業では、多くの事を学べるように頑張りたいと思います。よろしくお願いします。)」
《.........》
言い終わったあとの教室はシーンとしていた。
「Magnifique!
(素晴らしい!)
発音、文法、そして応用力完璧です!
さすがSクラス首席!
感心しましたよ...」
「いえ、僕なんて...まだまだです。」
なんで?そう、疑問が見てわかった。
前の僕は...授業を受けない代わりに独学で勉強をしていた。見返してやりたいっていう気持ちよりも父さんが好きだったフランスに僕も触れてみたかったから...
大学では壱哉さんの勧めもあり、留学にもいった。
《そ、そんな馬鹿な!!確かに教科書は黒く塗りつぶしたはず!!...》
「小金さん。今のはどういうことでしょうか?」
「先生、小金くんは何か見間違えてしまったみたいです。僕の教科書は何ともありません。」
《え...》
「なので、授業を始めませんか?」
「吉永さんがそうおっしゃるのであれば...
授業を再開します。」
《...バカにしやがって》
僕は、やり返したらあいつと同じようになる。
だから、そんなことしたくなかった。
小金くんも何かむしゃくしゃしてやったことだろうって思ってたから。
そうして、さっきのことがなかったかのように
授業が始まった...
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