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7話
《うわぁぁぁあ!》
階段を降りていると下駄箱の方から叫び声が
聞こえた。
「...かかった...」
「ん?羽瑠なんか言ったか?」
「え?いや、なんも!!何の声だろうね?」
僕には分かる。
何が起こったのか、誰が何をしたのか。
僕の下駄箱の前には見覚えのある顔が倒れていた。
床一面に画鋲が転がってた。
『な、なんで...』
「ごめんね。そこ、僕の下駄箱なんだ!
どいてもらってもいい?...小金君?」
『なんでこんなものが下駄箱に入ってんだよ!』
僕は朝の時点で罠を仕掛けた。
開けたら、びっくり箱みたいに人形が飛び出す。そんな仕掛けを。
「僕にも分からないよ。でも、小金君も僕の靴箱に何か用だったの?それと、画鋲は君の?」
『そ、それは...』
僕のことを陥れようとした生徒だった。
同じことを2回もされてたまるか。
「翔、帰ろ。」
「お、おう。」
僕は靴を履きかえて、歩き始めた。
『覚えてろよ...』
そんなやつの声に気づきもせずに...
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