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8話
「なー、羽瑠。」
「なに?」
「お前、本当に羽瑠か?」
「クスッ何言ってんの?」
「いや、だって、前のお前じゃありえないだろ?あんなの。しかも、なんか起きる事が分かってたみたいだし...
朝、仕掛けてるの見たんだぞ...」
さすが、翔だな...
お見通しってわけ。
確かに、前の僕と今の僕は明らかに違うかも
しれない。
「あれは、僕。庶民だから、何かされるんじゃないかと思って、一応置いといたんだ...
まさか、本当にされると思ってなかったから
僕もびっくりしたよ!」
「...俺にはそんな風には見えなかったぞ?」
翔からあからさまに疑いの眼差しが向けられた
近くにいるとこんなにバレるものなのかな?
「ほんとだってば!
じゃあ、もし、あれを仕掛けなかったとして、
僕が画鋲を踏んでもいいってわけ?
翔は僕を助けてくれないの?」
「それは、良くない。
それに、助けるに決まってんだろ?」
秒でかえってくる答えにすごく心が温かくなった。
「じゃあ、いいじゃん!
僕は無傷だし!はい!これで話はおしまい!」
「おい!まだ話は終わってないぞ!
置いてくなよ!」
僕は逃げるように自転車を漕ぎ出した...
これは、僕が片付ける問題だから。
翔を巻き込みたくない。
過去の記憶がある僕なら1人で立ち向かえるはずだから...
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