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10話

『あの!』 「え?」 声をかけられて、後ろを向くと、見慣れない顔の生徒がたっていた。 前髪が重めで顔はよく見えないけど、 何故か親近感が湧いた。 「化学室Dってどこか分かりますか? 実は、道に迷ってしまって...」 「あーそうなんですね! 化学室ならあの階段を上がって右に真っ直ぐ行って、次の角を左に曲がって突き当たりを真っ直ぐ行って...ってこれじゃ分からないですよね笑」 「すみません...」 「時間があるので、連れていきますよ!」 「え、いや、申し訳ないです...」 「気にしないでください! 友だちが急に部活のミーティングに行っちゃって時間を潰そうと思ってたので!」 「本当ですか?」 「はい!一緒に行きましょう!」 「すみません。 ありがとうございます...」 僕は彼と化学室に向かって歩き出した。

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