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11話

「この学校広いですよね 僕も迷っちゃうんですよ笑」 「建物も沢山ありますもんね...」 「そうなんですよ!移動教室も一苦労で笑」 「分かります。なれないですよね...」 「そういえば、化学室に何の用なんですか?」 「忘れ物をしてしまって... 授業後に気づいたんですが、 教室についてしまって...」 「あー!忘れ物ですか? あるといいですね!」 「はい。 大事な資料が入っているので...」 そんな話をしていると、化学室Dの教室の すぐ側まで着いた。 「あれ?でもここって1年は使わない教室じゃ...」 僕も化学はあるけど、1年は化学室Bのはず.. あれ?この人何年だ... 僕は彼を見た。 この学校は学年でバッチの色が変わる。 1年の僕は赤、2年は緑、3年は青。 彼の色は青。 3年も学校にいる人が教室を分からない はずがない。 「3年生だったんですね... すみません。てっきり同学年かと。 化学室はそこなので しゃあ、僕はこれで...」 何か、危ない予感がした。 ここにいてはいけない。 彼から離れなければ危険だって... 「気づくのが遅かったね...」 「え?」 次の瞬間、僕の視界は真っ暗になった。 最後に見えたのは、彼の不気味な 『笑み』だった...

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