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15話

「ん...」 目を開けると真っ白な天井が目に入ってきた。 「ここは...」 ぼんやりとした意識の中で、 周りを見渡した。 白で統一されたとても広い部屋。 僕はベットに横になっていた。 「吉永くん。大丈夫?」 突然、声をかけられ少し驚いた。 「レオ...先輩? ...どうして...」 そうだ。 僕は小金くんたちにヤラれそうになって... それで... ガバッ! 「ぼ、僕のせいで巻き込んでしまって、 すみません...」 すぐに飛び起きて、まず謝った。 また、迷惑をかけるなんて... 「まだ寝てていいよ! それに、こういう時はありがとうって 言われる方が嬉しいな笑」 「すみ...! あ、ありがとうございました。」 「うん。その方がずっといい笑 とりあえず、犯行に関わった人たちは退学処分にしたから、安心して。 でも、1人だけ見つけられなくて... 奴らも分からないらしくて... 顔とか覚えてる?」 「前髪で顔は良く見えませんでした... でも、3年生なのは確かです。 バッチが...見えました。」 「なるほど...ありがとう。 絶対に見つけるからね。」 「あ、ありがとうございます。 僕、もう、帰らないと...」 部屋の窓から見える景色はオレンジ色だった。 今が何時か分からないけど、連絡無しでここにいるのは後々怖いし... 「送って行くよ!」 「いや、悪いです。... 一人で帰れるので大丈夫です。」 「僕が送っていきたいっていう理由じゃダメかな?」 「え、いや、あの...」 「よし!決まり! 荷物取ってくるから待ってて!」 そう言って、レオ先輩は部屋を出て行った。 レオ先輩は本当に優しいな... その優しさに何度助けられたか... レオ先輩が出て行ったあと、寝てるのも申し訳なくて、ベットから降りた。

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