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17話

辺りが明るくなって、 クローゼットの隙間から覗くと見覚えのある 部屋だった... ま、まさか... 『く、くじょうさまぁ...』 その名前を聞いて、 僕の疑いは確信になった。 ここは、壱哉さんの部屋だ... なんで気づかなかったんだ! 『アッ…アンッ...』 ここは、壱哉さんの部屋で 僕と付き合う前は、ヤるためだけの部屋だった と壱哉さんが言っていた。 まさか、壱哉さんと僕の知らない奴がヤる ところを見なきゃいけないなんて... 「ウッ...」 僕は必死に声を殺した。 耐えなきゃ。 今は耐えるしかないんだと。 自分に言い聞かせた... 「...クッ、苦しいよ...」 心が痛い。 耳を塞いでも聞こえてくる 知らない奴の喘ぎ声に、僕の呼吸は荒くなる。 「ッハ...ッハ...」 苦しい...誰か助けて... ヴー、ヴー、ヴー 部屋に響くバイブ音... 最悪なタイミングで僕のケータイが 鳴ったみたいだ...

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