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18話
僕は荒くなる呼吸を必死で整えながら、
ケータイの電源を落とした。
「誰だ...」
クローゼットの中だから、
壱哉さんの顔なんて見えるわけないのに...
声だけで怒っているのが分かった...
僕は口を押え、息を潜めた。
『くぅ、じょうさまぁ...
早くぅ、続きをしましょうよぉ...』
そんな、声が聞こえても
僕は口を塞ぎ息を潜めた...
でも、とめどなく溢れる、
悲しみを僕は抑えることが出来なかった...
「でてけ...」
壱哉さんの一言に、バレたのかと思った。
背中に汗が伝う...
『えっ...』
言われたのは僕。
ではなく、知らない生徒の事だった。
「ヤる気分じゃない。
だから、出ていけ。」
『そ、そんなぁ...
今日は僕とヤってくれるって...』
「何度も言わせるな。
俺は、出て行けと言った。」
ドスの効いた声が広い部屋に響く。
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