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30話

「じゃあ、決まりだね!詳細については、改めて連絡するから、確認しておくように!」 あぁ...やっと終わった。 とりあえず、明日からの作戦を立てなきゃ.. フラフラになりながら、僕は生徒会室を出た。 まず、素顔はバレないようにする。 (あとあと、面倒だから。) ボロが出ないようにする。 (細心の注意を払おう!) もし、もーし、許されるのなら... 壱哉さんに仕返し...死ぬかな。 (多分、死ぬから却下。) 本当は...アンクレットを取り返したい。 思い出に罪は無いし、 僕にとって、やっぱり大切なものだから... そんなことを考えてると、肩を叩かれた。 振り返ると... 「あ、レオ先輩!」 「ごめんね、昨日送ってあげられなくて...」 「いや!全然大丈夫です! 1人で帰れたので!」 「なら良かった...でも、どこから 出ていったの?部屋に戻ったら 吉永くんいないし、戻る時にも 会わなかったと思うんだよね...」 ギクッ 「あ...外から...」 「あそこ、5階だよ?笑」 「ジョ、ジョークですよ...ハハッ じ、実は...あんまり記憶がなくて、 もしかしたら行き違いになっちゃった かもです...すみません...」 「...そっか。無事に帰れたら良かったんだけど...」 申し訳なさそうに言うから、なんでだろ? って思ったら、レオの視線は怪我した足に向いていた。 「あ、これは、家で転んじゃって笑 全然、痛くないんですけど、親が心配性で...ハハハ...」 「そうだったんだ。」 また、嘘をついちゃった... 「あ、昨日のこと、本当に言わなくて 大丈夫だったの?」 やっぱり僕に気づいてくれてたんだ... 「はい...。」 「生徒会で動ければ、早く解決出来るかもしれないけど...」 「あ、あんまり、大事にして欲しくないんです。僕自身も思い出したくないですし... すみません。お願いします。」 僕は頭を下げた。 犯人が早く捕まるのは嬉しいけど、 僕の秘密もバレてしまいそうで、怖かった。 「...分かったよ。 俺の方でも探してみるから。 まぁ、生徒会にいればそう簡単に手は 出せないと思うから安心して。」 レオ... 嬉しい。嬉しいんだけどさ... 僕は、生徒会にいる方が危険なんだよ... 魂が彷徨うことになっちゃうよ...

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