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4話

「わ〜お! 新しい、雑務ちゃんは優秀だね!」 「いえ!当然のことをしたまでです!」 「中々、やるな...」 僕がやったのにな... なんで、春山先輩は嘘をつくんだろ。 「モジャ男くん、突っ立ってないでよ! お茶も入れられないの? 君も雑務でしょ?い、ち、お、う。」 千景先輩の言葉はトゲトゲしてて、 慣れてるけど、少しこたえる... 「は、はい... すみません...」 僕は、お茶の準備を始めた... 準備してる時も、 楽しそうな笑い声が聞こえてくる。 本当は僕があそこに立ってたはずなのに... 「...ハァ...作るか...」 これも僕の仕事だった... 大和先輩は緑茶、千景先輩はココア、氷室先輩はカフェオレ、レオは紅茶。 それで、壱哉さんはコーヒー... 皆、飲む物がバラバラで大変だったなぁ... なんて、昔のことを思い出してる 間に作り終わった。 運ぼうとした時、 春山先輩が後ろに立っていた... 「あ...春山先輩、どうしたんですか?」 「これ、僕が持ってくから休んでていいよ!」 「え... でも、僕が準備した...」 「でもさ、僕が運んだ方が生徒会の方も 嬉しいと思うんだよね! そう思わない?」 こんな僕が運べば、生徒会のメンバーの 気分を害するってこと...? 笑顔で毒を吐く春山先輩に、 僕は何も反論することが出来なかった。 あたかも、自分が作ったかのようにお茶を 振る舞う姿を僕は呆然と眺めていた...

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