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5話

「お待たせしました... お口に合うか分からないのですが...」 「すごい! どこで千景たちの好み知ったのぉ〜? 皆、合ってるよ!!」 「たまたまですよ...」 壱哉さん以外はみんな飲み始めた。 「「「「...!!...」」」」 「美味しい〜!僕好みだぁ!」 「...美味いな...」 「まぁまぁ、だな...」 「美味しいですね。」 「いっちゃんも飲んでみなよ!」 「俺はいらない。」 「壱哉、これ本当に美味しいよ。」 「...ハァ、...スンッ..?...」 レオの言葉に壱哉さんは、コーヒーの匂いだけ嗅いでいた。 嗅いだ瞬間に表情が少しだけ変わり、 少しだけ口に含んだ... 「...これ、お前が淹れたのか?」 「はい!... 何か...ありましたか?」 「いや、なんでもない。」 壱哉さんはそれだけ言うと、 自分の部屋に戻ってしまった。 「すごいよ! いっちゃんが認めるなんて!」 「お口にあって良かったです!」 みんなに認められて、 笑顔な春山先輩をただ、 見てることしか出来ない僕は、 なんて無力なんだろう...

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