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7話

「...フゥ...何時かな...」 ケータイを見ると、もう19時になっていて、 翔から部活が終わったと連絡が入ってた。 「さすがに、今日だけじゃ終わんないよね...」 まだ半分も片付かない書類たちを見て、 ため息がこぼれる... 僕は、残った書類を何個かカバンに入れ、 生徒会室を出た... 「羽瑠!!」 「あ...翔... 部活、お疲れさま...」 「お、おう。 なんか、俺より疲れてないか?」 「気のせいだよ... 早く帰ろ...」 何か言いたそうな翔を無視して 自転車を漕ぎ始めた... ガチャッ 「母さん、ただいま...」 「あら、羽瑠おかえり。 丁度、ご飯できたところよ。」 「...ごめん母さん。 これから、バイトがあるから ラップしといて...」 「これからバイトなの? 大丈夫?疲れてるんじゃない... 母さんが仕事を増やすから、 今日は休んだら...」 「大丈夫だよ。 それに、これ以上仕事増やしたら 母さんが倒れちゃうよ... 母さんも僕をおいていくの?...」 「羽瑠...」 僕の言葉に母さんは悲しそうな顔をした... 「ごめん!バイトの準備しなきゃだから!」 僕は急いで階段を駆け上がった。 困らせてごめんね... でもね... 母さんまで失うくらいだったら、 僕が無理した方がマシ。 そう、思っちゃうんだ...

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