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10話
学校に着き、翔は部活に僕は
生徒会室に向かった。
予想通り、春山先輩は来てなくて
1人で作業を始めた。
いくら、作業の手順は完璧でも、
急がないと終わらない...
「急がなかなゃ...」
僕は無我夢中で作業した...
たった1回ぐらい、元!!副会長の僕が!
本気を見せてやるぞ!!
「ハァ、ハァ、ハァ...よし...
これで...終わり...何時...
やばい!朝の会が終わっちゃう!」
僕は鞄を掴み、全力で駆け出した...
『吉田くん。』
「はい。」
『吉永くん。』
「...」
ダダダダッ...
『吉永くん?遅刻ですか?』
ダッダッダッ、ガラッ!!!!!!!!
「はいっ!先生っいます!」
『ギリギリですよ。
明日からは気をつけるように...』
「す、すみません。」
ガタッ
「はぁ...間に合った...」
ギリギリ間に合ったことに
小さく安堵していると、
翔がこちらを向いてきた。
「おい。羽瑠。何やってたんだよ...
俺と同じ時間に来ただろ?
俺、てっきり教室で勉強してると
思ってたんだけど...」
「い、いや教室で勉強してたんだけどさ、
急に、お腹が痛くなっちゃって...
あはは...」
「そっか...
もう、大丈夫なのか?」
「うん!もう、大丈夫だよ。」
「ならいいけどよ。
それより、1時間目は来週の遠足のこと
やるんだってさ。」
「え、遠足?」
「羽瑠、忘れたのか?
新入生歓迎行事で全校生徒が九条山に登る
行事だよ!」
「あ...」
そういえば、そんなのもあったな...
忙しくて、すっかり忘れてたよ...
壱哉さんとの思い出の場所なのに...
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