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20話
朝が来て、僕たちは遠足へと向かった...
生徒は自分たちの車で向かうので、
僕は翔の車に乗せてもらった。
長い間揺られてると、九条山に着いた...
ガチャ
柳田さんが車のドアを開けてくれて、
僕は車の外に出た。
「やっと着いた...!」
突然の日光にクラっとよろけたところを
翔が受け止めてくれた。
「大丈夫か?」
「ごめん、なんかふらついちゃって笑」
「羽瑠、気抜くなよ。
まだ体調も完全に復活してない。
それに...あっちのこともある。」
「あ、うん。分かってるよ...」
翔は違う方を見ていた。
翔の目線を追うと、そこには僕を
睨みつけている奴らがいた...
「西園寺を怒らせたことがもう
広まってるみたいだな...」
僕を睨んでいるのは、
生徒会のファンたちだった。
僕が西園寺先輩を怒らせた張本人だと
いうことがどこからか漏れたらしい...
ファンの怖さは昔から変わらない。
僕が壱哉さんと付き合った時だって、
いろんな嫌がらせにあった...
あの時は壱哉さんとかレオが助けてくれたけど、今はいないから...
「大丈夫だ。俺から離れなきゃ問題ない!」
僕の不安そうな顔を見た翔は
僕を勇気づけてくれた...
そうだ!悩んでたってしょうがない!
新しい人生を歩み始めたんだから!
「フッ、僕は1人でも平気ですぅー!
そんな弱くない!笑」
「おい!羽瑠!
離れるなって!先いくなよー!!」
大丈夫。
僕なら乗り越えられる。
そう、心の中で呟いた...
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