77 / 132

22話

翔と別れ、僕は休憩所を探し歩いた。 「えっと...休憩所は...」 過去には無かったことだったから、 少し迷ってしまったみたいだ... 「左か?」 道しるべがありそれに沿って左を進んだ。 30分歩いても一向に休憩所にはつかなくて、 結局、着いたのは行き止まりだった。 「おかしいな...」 周りは緩やかな崖。 明らかに、休憩所ではない。 どこで間違えたんだろ。 そんなことを考えていたら... 「うわっ!」 ベチャッ 地面の根っこに気づかず引っかかり、 僕は泥の中にダイブした。 「最悪...今日はダメだなぁ...」 少し、涙が出てきた... 最近、辛いことしかないんだもん。 こうなることもしょうがないって 分かってるけど... 「はぁ...よし!」 僕は仕方なく水色のパーカーを脱ぎ、 黒のTシャツになった... 「1回戻ろう...」 そう思って、後ろを向いた瞬間... ドンッ 「え?...」 僕の体は宙を舞っていた。 僕は誰かに突き落とされたんだ... 落ちていく瞬間、顔は見えなかったけど 嗅いだことのある匂いがした... バタッ、ガシャ、バタバタバタッ、ドンッ... 激しい痛みと共に、僕の意識は消えていた。

ともだちにシェアしよう!