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23話

長い夢を見ているようだった。 目を開けると 日はすっかり落ちていた... 「いっ!」 起き上がろうとすると、体中に痛みが走る。 体を見ると至る所に擦り傷があって、右足首が酷く腫れ上がっていた。 崖が緩やかだったことと崖の下に葉っぱが沢山あったことが良かったみたい... 痛む足を引きずりながら、 僕は助けを求めて歩き始めた。 もう1回死ぬなんて嫌だから。 歩いても、歩いても、人なんて居なくて どんどん暗くなっていくことに 恐怖を感じた。 そんな僕に神様は意地悪だった。 「あ、雨だ...」 こんな時に雨だなんて... あの日みたいじゃないか... ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『お前とは遊びだ』 「やめて...」 『好きだと思ったことは無い』 「い、いや...」 『死んだところで涙なんかでないぞ』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「いやぁ、ハァハア、いやだ、ハッハァッハ、嫌だ ッハ、ゲホッ、ゲホッ、ッハ...」 今見ているものが、現実なのか 悪い夢なのかもう分からなくなった... どんどん荒くなる呼吸に胸が締め付けられる。 なんでいつもこうなの? 苦しむのは僕だけ。 ただ、人生をやり直したかった... ただ、それだけなのに... 僕の意識はもう切れる寸前だった。 もう...そう思って目を閉じかけた時。 「誰だ?」 聞き覚えのある低い声が響く。 幻聴まで聞こえるようになったんだ... 少し笑えてくるよ... 「...けて...助けて...」 幻聴でもいい。 誰か僕を助けてくれませんか... 「おい!」 僕の意識はそのまま消えていった。 そのまま崩れ落ちたはずなのに痛みはなく、感じたのは懐かしい温もりだった...

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