84 / 132

29話 レオside

遭難した壱哉と吉永君を見つけ出す方法を話し合うために本部にやってきた。 そしたら、目の前で今にも喧嘩が起きそうな雰囲気で... 殴りかかろうとしている生徒はどうやら吉永君の友達みたいだった。 『こんな奴の嘘に気づかない』の言葉が頭から離れなかった。 「とりあえず、京介救護班を呼んできてくれない?この生徒を運ばないといけないから。」 「分かった。」 指を指す方には気絶した雑用の生徒1名。 名前は...特に覚えてないんだよね。 どうするか、そんなことを考えていると上機嫌な千景がやってきた。 「なになに〜?面白いことやってるじゃん笑 どうしちゃったわけ?笑」 「千景。ちょっと黙ってくれる。」 「なんで怒っちゃってるの? こんな事件滅多に起きないのにさ!笑」 「笑い事で済まないことになってるんだよ。」 「え?どういうこと?」 「吉永君の友達が雑用と何かあったみたいなんだ...。」 「なぁーんだ。そんなことか。 ...じゃあ、あのモジャ男を呼んで話を聞けばいいんじゃないの?」 「千景、聞いていないの? 吉永君、遭難したらしいんだ...。」 「そ、遭難...まぁ、あんなことしたんだし...ば、バチが当たったんじゃないの...」 さっきまで上機嫌だった千景の顔がくもった。 なんだ... 「それだけじゃないだ。崖から転落している可能性が高い。それに...壱哉も遭難したらしい。」 「え...が、崖から? そ、それにいっちーまで? なんで...そんなはずじゃ...」 千景の動揺する姿から さっきまでの疑問は確信に変わった。 「千景。何か...知ってるね。」 「え...ち、ちかは... 何も、知らないから!!!」 「大和!!」 逃げようとする千景を 大和が羽交い締めにした。 「大和!はーなーせー!!!」 「...千景。だめみたいだ。」 どうしたらいいか分かってない大和は 俺の顔を見て察したみたいだった。 さぁ、吐いてもらうよ。千景。

ともだちにシェアしよう!