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35話

目を開けると、真っ白な天井と 消毒液と微かに花の香りがした。 手のひらからは誰かの体温を感じた。 横をむくと、目の下を真っ赤にして眠っている 翔の姿があった... 「しょ...う...」 そう呼びかけると翔の目は 何回か瞬きをして、僕を見つけると うっすら涙を浮かべていた。 「は、はる...はる!!」 僕だと分かった瞬間に 翔は僕を強く抱き締めた。 「い、痛いよ...(笑)」 馬鹿力でね笑 病人だってこと忘れてんじゃないかな笑 「羽瑠のバカ!!心配させんなよ!! 俺、もう...ダメかと思って...ズッ ...めっちゃ怖くて...ズッ」 翔の泣き顔はあまり見た事がなかったけど それはそれは、ブッサイクな顔で笑 「ご、ごめんて(笑) もう、大丈夫だから、泣かないでよ...」 「...ズッ、泣いてねーよ!!」 「泣いてんじゃん(笑)」 「だから泣いてねーって!!」 「はいはい。そーいうことにしとくよ(笑)」 「ったく! 俺、先生呼んでくるから、大人しく寝てろよ!」 「はい、はい。分かってますよーだ。」 コンコンコン... 「あれ?先生が来たんじゃない?」 「そんなはず...」 ガラガラガラ... 入ってきたのは、大和先輩とその後ろに隠れながらこちらを見ている千景先輩だった。

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