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36話
「せ、先輩...」
「急に来てしまってすまない。
意識が戻って良かった。」
「え...あ、いや...」
「何回来てもらっても困ります。」
急な来客に戸惑っていた僕の言葉を
翔は遮った。
「しょ、翔!」
「それに、当の本人の謝罪がないのに
来る意味もないと思います。」
翔は普通の顔をしていたけど、
放っている言葉には棘があった。
「ち、ちがっ...」
「お引き取りください。」
千景先輩の言葉も翔によってかき消された。
翔。生徒会の皆様だよ?
強気すぎやしないかい?
「あ、あの...大和先輩、千景先輩。
僕もお話したいことがあるので
少しだけお待ちいただけますか?」
「羽瑠!!」
すごい剣幕の翔に押されかけたけど、
僕は目線を逸らして回避した。
怖い怖い...
「お、お願いします...」
「分かった。
外で待っている。」
そういうと大和先輩と千景先輩は出ていった。
そして、残された僕たちには不穏な空気が流れていた...
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