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42話

「まず、雑務の仕事について任せた仕事は完璧に行われていた。だが、Wordに保存された時刻に生徒会にいた形跡は無く、銀座のエステにいたという証言が出ている。よって、お前は雑務の仕事をせず、こいつに任せていた。ということになる。」 そこまで知ってたの? どうして... 「そして、西園寺の件だが、あの箱はブランド服の箱で、俺たちにとっては容易く用意できるが、奨学生のこいつが用意できるものでは無い。」 僕のことが心配だったの?... そんなわけないってわかってるのに、どうして僕は、期待...しちゃうのかな... 「で、ですが!それだけで僕がやったことにはっ!」 「なら、見る方が早いだろう。京介。」 「全く...凡人が足掻くな...」 く、口が悪い... ピッ...ウィーン 京介先輩がリモコンを押すと、カーテンが閉まり、スクリーンが降りてきた。 綺麗な病室だとは思ってたけどスクリーン付きとは...恐るべしお金持ち... いや、大金持ち... 「うそ...」 流れてきたのは、僕が1人で作業をこなす所、あの日僕が寝ている間に春山先輩が箱を置く所その全てが映っていた。 「防犯カメラなんて...そんな!」 「お前みたいな凡人に見つけられるわけないだろう笑これは、学校の物ではなく、個人の物だからな。」 嘲笑う京介先輩の姿に恐怖を感じます...。 京介先輩、それは合法なのか、 あとどれくらい個人のものがあるのか... 考えるのやめよう。うん。 「それにさ、目撃情報を伝えに来た生徒、あまりにもタイミングが良すぎるよ。あんな場所、人なんていやしないはずなのに、生徒会の服を来てた。なんてはっきり覚えているのもおかしいよね?君と仲がいいみたいだし...ここで直接話を聞く?」 レオの口調はいつも通り優しいはずなのにどこか棘を感じる。 「僕は...僕は...」 「お前は、生徒会を敵に回した。それがどういうことか...馬鹿でも分かるよな。」 まぁ、そうだよね。 僕じゃなくて生徒会のためだよね... 期待しちゃって、バカみたい。 「...あいつが悪いんだ...あいつが!!」 今までの感じが嘘かのように、急変した春山先輩は僕を指さした。 「こんな一般庶民が...この学校に入れたことだけでもありがたいと思うべきなのに!それなのに、こいつは!こんな醜い容姿で僕と同じ場所にいるんだ!...ない...ありえない。ありえない!!ぼっ僕は...こんなにも努力しているのに...」 「...けんな。ふざけんなっ!!」 「翔!!!」 今にも殴りかかりそうな翔の袖を掴んだ。 「羽瑠はな、お前みたいに楽して生きてねぇーんだよ!おばさんを支えながら必死に生きてんだよ!!容姿?家柄?そんなん考えてるお前なんか一生羽瑠に勝てねぇーよ!」 翔... 僕なんかのために怒ってくれて... ありがとう。 「連れて行け。」 「フッ...フフフッ...アハハハッ...僕で終わりじゃないからね。せいぜい苦しめばいいんだ...」 壱哉さんの言葉の後、どこからかSPさんが現れて、春山先輩を連れていった。 僕で終わりじゃない? どういう意味なの? 僕にはその言葉が引っかかっていた...

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