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3章:1話
それから僕は、翔に強制休養を言い渡され、毎日、健康すぎるぐらいの日々を過ごした。
京介先輩のおかげなのか、僕もVIP対応だったみたいで、寝てる時以外は看護師さんが近くにいるという生活だった。
僕にはちょっと合わなかったけど...
恐るべし、氷室大学病院...
そして今日は、2週間ぶりの登校だった。
「翔。暑いから少し離れてくれない?」
翔は学校に着いてからずっと僕の周りをうろちょろしている。
「だめだ、もしかしたらどこからか敵が現れるかもしれないだろ!」
ちょっとおかしい奴とは思ってたけど、
ここまでとは...
「...何言っての?」
「あの銅像なんか怪しくないか?」
「あれは、理事長先生の像でしょ?創立以来ずーっとあるらしいけど。」
「そうか!あ、靴箱が怪しいぞ!俺が確かめてやる!...」
「いいって..はぁ...
僕には翔の方が怪しく見えるんだけど!」
僕の言葉を聞くことなく、翔は下駄箱へと走っていった。
僕も翔を追いかけた。
「ほら、上履き!」
「ありが.とう。だけどさ...」
「あっ、足元に段差が!」
「...ねぇ、もはやふざけてるでしょ?」
「ばれたか?笑」
「...」
僕の変化に気づいたのか笑っていた
翔の顔に焦りが見えた。
「ちょっとふざけただけといいますか...」
「あーあ、友達やめようかなー」
「羽瑠。冗談だよな?」
「あ、肩が重いなー...」
「羽瑠様!私めがお揉み致しましょう!」
「いいだろう!」
「「ははは!!」」
久しぶりに平穏な日常が帰ってきたみたいで
楽しいな...
1週間休んだおかげで疲れも取れて
心も体も軽くなった気分だった。
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