ｶﾞﾗｯ 『まだ来れるのね。』 『いい根性だわ。』 『俺には無理だけどな。』 教室に入るといつもと変わらないクラスメイトの陰口がここまで聞こえてくる。 みなさーん、はっきり聞こえてますよー 直接は言えないから心の中で対抗してみたり．．． 「大丈夫、大丈夫だから。」 翔が動き出そうとするから僕は小さい声で翔を呼び止めた。 まぁ、これも変わらない平穏と思えばなんだが面白いかも。 「ﾌﾌｯ、ﾌﾌﾌﾌｯ．．．」 「羽瑠、大丈夫か？どっかにネジでも落としたのか？いつもよりおかしいぞ？」 「これは．．．ね、いつもよりって何？」 翔とふざけあっていると．．． ﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾊﾟﾝﾎﾟｰﾝ．．． 〚１－Ｓ吉永羽瑠くん、１－Ｓ吉永羽瑠くん。至急生徒会室まで来てね！〛 「羽瑠、呼ばれてるぞ？」 「え、僕？．．．」 「吉永羽瑠なんてお前以外にいないだろ笑 それに、ほら、アイツらも羽瑠の事見てるし。」 『生徒会様に呼ばれたの！？』 『きっと何かやらかしたんだわ！』 『痛い目見ればいいのよ！』 「だ、だよね．．．あ、翔も．．．」 「行くわけねーだろ！ さすがに怖すぎて震える．．．」 「親友が頼んでるのに？」 「それとこれとは別問題だ！」 「病室で生徒会に向かって喧嘩売った翔はどこに行ったんですかー？」 「あれはーなんて言うか〜、うーん、アドレナリンが出てたっていうか？」 「やっぱり友達やめようかな。」 「ま、真顔はやめてくれ。」 「翔のけちんぼ！」 「まぁ、俺も付いて行きたいけどさ、生徒会入るって自分で決めたんだろ？それに、近づくチャンスにもなるし！頑張れ！」 「だから、もうそんなんじゃないだってば！」 翔はまだ僕が壱哉さんを好きだと 思ってるんだよね。 未来のことを言えないっていうのは中々厄介だな．．．どこかで誤解をとかなくちゃ．．． 「じゃあ、行ってくる．．．」 「なんかあったらいつでも呼ぶんだぞ！」 「わかってるよ！」 クラスメイトの熱い視線をくぐり抜けながら、 僕は生徒会へ向かった。