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3話

「...ハァ...このまま逃げちゃおうかな...」 別に生徒会が嫌なわけじゃない。 けど...僕にはあの人のそばに居る 勇気がない。 あの日を...まだ、思い出してしまうから。 「いや!羽瑠、弱気になるな! 別に、同じようになるとは限らないし、 僕にはやることがあるんだから...」 春山先輩の言葉がずっと引っかかっていた。 僕を狙うやつがまだいるってことに。 過去にはなかったことだから、 今の僕が関係してるはず。 過去をやり直すって決めたからには、 ここから先にどんな試練が待っていても 僕は乗り越えてみせる。 あの人が居なくても僕はやっていける。 そう決意して、僕は生徒会のドアにてをかけた。 ガチャッ 「あ、あの...」 パァンッ!! 「うわぁっ!!」 大きな音がしたと思ったら、何かが飛んできて...ん?紙吹雪? 「羽瑠ちゃん!ようこそ生徒会へ〜」 「ち!千景先輩!?」 「びっくりした?羽瑠ちゃんのために僕が考えたんだよ!すごいでしょ?」 まるで褒めて欲しい犬のよう... 「す、すごかったですけど... って、は、羽瑠ちゃん?」 「そっちの方が可愛いでしょ? あれ?ダメだった?」 「いいですけど...」 モジャ男からの変わりようが凄いな... 千景先輩は昔から好き嫌いが激しくて... 「良かった!!羽瑠ちゃんも僕のことちかちゃんって呼んでいいよ!」 「さ、さすがに無理なので、千景先輩で許してください...」 「もぅ!しょうがないなー それでもいいけど、他のみんなの事も下の名前で呼んでね? 僕、堅苦しいの嫌いだから!」 僕は堅苦しいぐらいの距離感でいいんだけどな...なんてね。 「わ、分かりました!」 千景先輩と話していると大和先輩が歩いてきた。 やっぱり大きいな... 「...羽瑠。あの時は助かった。 千景に代わって礼を言う。」 「大和先輩!顔を上げてください! もう、終わったことですし!」 「大和!羽瑠ちゃんを困らせないでよ!」 いや、あなたのせいでこうなってるんだけど... 「吉永、仕事が溜まっている。 直ぐに取り掛かってくれ。」 「きょーちゃん!羽瑠ちゃんって呼ばないと!」 「俺は全員名字しか呼ばない。」 「もぉ!!!」 千景先輩、京介先輩に羽瑠ちゃんなんて呼ばれたら怖くて返事できません。 「京介、羽瑠は雑用係として入ったわけじゃないよ。それに、今日は初日なんだから。」 「レオ先輩...」 「そういえばさ、レオルーは愛称で呼ぶこといつの間に許可したの?いっちゃん以外には誰にも呼ばせないのに!」 「え...え!?」 レオって愛称なの!初耳だよ! 過去でもレオからこう呼んで欲しいって言われてたし、先輩つければどうにかなると思ってたけど... 初対面で愛称で呼ぶやつなんていないよね!? あぁ〜、僕のバカ! 「す、すみません!僕、馴れ馴れしいことを...」 「別に呼ばせて無いわけじゃないから、 気にしないで。」 「い、いや、でも...」 「それに、直されるのも変な感じするから大丈夫だよ。」 レオが大丈夫でも、僕はダメなんだよ... 「でもさー!」 「千景、頼んだ仕事は?」 「...これからやります...」 レオ先輩の言葉に千景先輩は俯きながら 答えていた。

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