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4話
「九条はどうした。」
あ、そういえば壱哉さんがいない。
千景先輩のサプライズに驚いて気づかなかった。
「壱哉なら、生徒会長室だと思うよ。書類関係でやる事あるって言ってたから。」
部屋に行ったんだ...
じゃあ、今日は顔を見なくてすむ。
良かった...うん。
「じゃあ、今日は軽く生徒会について説明するね。生徒会は...」
そこから生徒会の役割と業務についての説明を聞いた。
まぁ、これは知ってる事なんだけど。
「で、羽瑠の新しい役職なんだけど、せ...」
ブー、ブー、ブー
急に着信音がなった。
「壱哉、どうした?
...あ、うん。でも、初日だし...
分かった。持っててってもらうよ。」
レオ先輩の困った表情に嫌な予感がした。
「ど、どうかしましたか?」
「ごめん、書類を壱哉に届けに行って欲しいんだ...」
「え!ぼ、僕がですか?」
「壱哉が持ってきて欲しいみたいで...
ごめんね。」
「あーいや!全然大丈夫ですから...」
正直、大丈夫じゃない...
けど、レオの困った顔見るのは酷すぎる...
「羽瑠ちゃん!行く時は必ずノックするんだよ!そうじゃないと大変なことになるから!」
「た、大変なことって...」
「それは〜...んむ!」
急に大和先輩が千景先輩の口を塞いでしまった。
「千景、そこまで。レオルク、京介、部活動の見回りに行ってくる。」
「モゴモゴ!!」
肩に担ぎながら消えていった...
ずっとなんか言ってたけど、
何を言おうとしてたんだろ...
「これが渡す書類で、道は分かる?
ついて行こうか?」
「大丈夫です!これくらい、1人でできますよ!」
「そっか。じゃあ、お願い!」
初日から会わなくていいはずないよね。
まぁ、渡すだけだし。
早く行って帰ってこよっと!
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