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8話

「翔!」 「...!!」 振り向いた翔の顔が固まっていた。 「翔?おーい!」 「あ...悪い。久しぶりに羽瑠の顔、ちゃんと見たからさ...」 「え、僕の顔、そんな酷い?」 「んなわけねーだろ。 その顔が酷いなら他のやつはどうなるんだ... ったく。ちゃんと鏡見たか?」 「誰かさんが、眼鏡持っていっちゃうから見れてないよー。」 「あー、そうだった笑」 「翔から見てどう?変...かな?」 「前の髪型の倍...いや、数万倍、いい。」 「え、そんな? あの髪型も気に入ってたのにー」 「あの髪型は鳥に好かれる髪型だけど、今回のは人に好かれる髪型だな!」 「フフッ...何言ってんの笑」 ザワッ... 「...羽瑠、眼鏡。直ぐつけろ。」 「あ、うん!」 翔が焦ったように言うもんだから、 僕も急いで眼鏡をつけた。 なんか、一瞬視線を感じたような... 気のせいかな? あー、やっとよく見える。 やっぱり眼鏡は落ち着くなぁ... 「鏡、かが...うわぁ...短い...」 「そこかよ笑」 鏡には鼻ぐらいまであった前髪も鳥が住めそうな髪の毛も無くなっていた。 「目はちょっと隠れてるけど襟足が、か、か、刈られてる...」 過去の時はこんなに短くしなかったから、 なんか新鮮だな... それに、視界が開けすぎて どこ見ていいか分からなくなる... 「シースルーマッシュっていうんだよ笑」 「し、しーするー、まっしゅ? なにそれ?」 「あー、うん。そうだったそうだった。 大丈夫、知らなくても。」 「今なんか、諦めたでしょ?」 「オシャレに疎い羽瑠ちゃんにはまだ早かったなと思っただけだ〜」 「ほう...もう古文も数学もノートは見せなくていいと。」 「すみませんでした。 それだけは勘弁してください。」 「美容師さんにもう1回お礼言ってこよーっと!」 「お、おい! 羽瑠!冗談だよな?」 慌てる翔が面白くて、おかしくて、 こんな時間がずっと続けばいいなんて思っちゃうんだ。

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