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13話

ガラッ... 『あんな生徒いたかしら?』 『転校生ではないか?』 『でも、隣にいるのは吉田...』 教室に入ったらすごく視線を感じた。 やっぱり変、なのかな... 僕は教室の床を見ながら席に向かおうとした。 「ジロジロ見てんじゃねーよ。」 「ちょ、翔!」 翔がいきなり言うもんだから、僕を見ていた人達は目線を逸らしていった。 僕は翔の腕を掴んで席まで急いで向かった。 「翔、あんなこと言っちゃダメだよ。 翔が誤解されちゃうじゃん。」 「いいんだよ!あんな奴らだったら俺は 喜んで嫌われてやるよ。」 「もう...」 時々、翔の無謀さが心配になる。 お願いだから.平穏に過ごそうよ... 「げ。今日古文あんのかよー」 「今日、課題提出だけどやった?」 「課題...それはなんだ?美味しいのか?」 「もう...授業は午後だからこれ写なよ。」 「おぉ!!神よ!さすが羽瑠様だぜ!」 「うわぁ!髪の毛ボサボサにしないでよ〜」 僕達は周りの目も気にせず いつも通りの朝を過ごしていた。 ガラッ... 『吉永さん、登校していますか?』 教室のドアが空いて、先生に名前を呼ばれた。 「あ、はい!先生、ここにいます!」 僕が手を挙げるとクラスが余計にざわめいた。 え、何? 僕は左右を見渡した。 みんな僕を見てる。 「え、僕なんかした?」 「はぁ...もういいから、 先生のとこ行ってこい。」 「あ、うん。」 僕は視線を感じながら教室を出た。 見た目のせいで不快にさせたんじゃないかってそんなことを考えながら...

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