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16話

「吉永、来た早々悪いが飲み物を作ってくれ。」 京介先輩はいつだって通常運転だな... 人を見た目で判断しないところは尊敬するよ。 うんうん... 「聞こえなかったか?」 「...はっ!い、今作ります!」 「えっと...ココアと緑茶、カフェオレそれに紅茶っと」 みんなが同じもの飲んでくれたら ありがたいんだけどなー...なんてね。 「よし!完璧!」 「アールグレイの匂い...」 声のする方を見てみるとレオが立っていた。 「あれ?レオ先輩、もう戻ってきてたんですね!でも、どうしたんですか?」 「1人で作ってるって千景達から聞いたから 手伝おうかなって思ってきたんだけど... いらなかったみたいだね。」 「これぐらい朝飯前ですよ!」 「フフッ...羽瑠顔にココアついてるよ」 「え!あ、すみません…/// じゃ、じゃあ運びますね!」 「うん。あ、待って、砂糖...」 「もう、砂糖2つ入れましたよ!」 「...」 「あれ?違いましたっけ?」 「...いや、ありがとう。」 レオが一瞬驚いた顔をしてたけど なんだったんだろう。 そんなことを考えながら広間へ向かった。 ガチャ... 運んできた時、生徒会室のドアから壱哉さんが入ってきた。 壱哉さんは僕の方を一瞬見てから何事も無かったように歩いて行った。 「あ...」 「おっと...大丈夫?」 「す、すみません!」 僕は突然入ってきた壱哉さんに驚いて持っていたお盆を落としそうになってしまった。 レオが気づいてくれたおかげで どうにかこぼさずにすんだ。 「あ、いっちー! 珍しいね、この時間に来るなんて!」 「...体育祭についてやるぞ。」 「げ、もうそんな時期? この間新歓が終わったばっかりなのにー」 「誰かさんが大変なことにしなければもっと余裕だったと思うがな。」 「...それは謝ったじゃん。」 京介先輩のド直球な言葉に 生徒会室が一気に気まずくなった。 「京介、もうそれはすんだことだから掘り返さない。さ!みんな座って話し合おう。」 さすがレオ! 嫌な雰囲気を消してくれた救世主! 「コーヒー。」 「...?」 「お前以外に誰が淹れるんだ?」 「あ、はい。今持ってきます。」 僕はお前っていう名前じゃないんだけど! それに、お願いします。とか言えないわけ!? い、言ってやりたい... 「あぁーもう...作りますよ...」

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