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17話
コーヒーを運んで来た時には
体育祭についての会議が始まっていた。
壱哉さんにコーヒーを渡した後、
レオに手招きされて僕も席に着いた。
「体育祭での生徒会の役割は風紀委員と協力して警備・監視がある。それから、例年通り今年も生徒会参加の競技がある。」
「えー、今年もやるの〜?
疲れるから好きじゃないだけどー」
「毎年怪我人が出ている。生徒会として戦うなら極力、揉め事を起こさないように。次は...」
千景先輩の言葉を京介先輩がキレイに流して
次の議題に移っていった。
「レオ先輩、生徒会の競技って...」
「あぁ、羽瑠は初めてだもんね。
簡単にいうと生徒会対生徒の鬼ごっこだよ
捕まえた生徒のクラスに点数が入るっていう仕組みになってるんだ。だから、みんな本気でやってるってわけ。」
「鬼ごっこ...あ...
そ、そうなんですねー」
思い出した、そんなのもあったな...
僕も生徒会だったけど、運動がからっきしダメな僕は壱哉さんの権限で毎回不参加にしてもらってたっけ...
今年は正式メンバーでもないし、大丈夫だよ、ね?
「いっちー、今年の千景は何点なの?」
「100点だ。」
今話してる点数とは、生徒会メンバーを捕まえた時の獲得点のことで、毎年1000点分が生徒会に渡される仕組みになってるってわけ!
まぁ、みんなが本気になるのは別の理由だと思うけどね...
「千景が100点!?
ちょっと低すぎない?
じゃあ、大和は?レオルーは?京介は?」
「みんな100点だ。」
「あ、自分だけ高くしてるんでしょ〜」
「だから、みんな100点だって言ってるだろ。」
「壱哉、そしたら合計が500点足りないけど?」
たしかに...
今年は1000点じゃないのかな?
「安心しろ。ちゃんと足りている。
こいつの500点を足して1000点だ。」
うんうん...こいつ?
顔をあげると壱哉さんの目がこちらを見ていた。
「え!僕!?」
「お前以外に誰がいる。」
「そ、そんな...」
「壱哉、ちょっと厳しいんじゃないかな?
500点にしたらみんな羽瑠を狙いに行くと思うよ...」
「こいつも生徒会だろう。参加する義務がある。それに、たった500点だ。」
「千景先輩...
これ、捕まったらどうなりますかね...」
「捕まったらね、書類整理2ヶ月分だよ!」
「に、2ヶ月分!?」
ダメだ...
僕の人生は終わったかもしれない...
2ヶ月の量がどれだけか分かってしまうから余計に嫌になってくる...
その後も会議は続いたが僕の頭の中は体育祭のことでいっぱいで何も入ってこなかった...
あーもう!どうなっちゃうわけ〜
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