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22話

次の日... 学校に着いてから教室まではいつも通りの時間が流れていた。 心配、しすぎてたかな...? 《おはようございます。 朝の放送を始めます。本日は...》 「羽瑠!時間割変更になってるぞ!」 「あ、ほんとだ... えーっと、2時間目が...」 《...となっています。えー、生徒会からです。1-S吉永羽瑠さんは3-Sに向かってください。繰り返します。1-S吉永羽瑠さんは3-Sに向かってください。》 「...羽瑠、呼ばれてるぞ。」 「翔にも聞こえてたんだ... 幻聴だと思ったのに...」 「3-Sって生徒会メンバーのクラスじゃねーか!」 僕の名前が呼ばれたことで教室の中は騒がしくなっていた。 「はぁ...なんでこうなるかな...」 《あ、制限時間は10分です。》 「え?」 「羽瑠!10分!10分だぞ!!」 「う、嘘でしょ!!」 僕は急いで教室を飛び出した。 1年生の教室から3年生の教室は普通に歩いて15分。そこから生徒会メンバーがいるSクラスはさらに階が上がるからプラス5分。 間に合うわけが無い。 でもこれは過去の僕だったら、の話。 でも、僕には3年間の経験値がある! 「3年間通った僕を甘く見るなよー!!」 空き教室を通って、外階段を登って、生徒がいない道を全速力で駆け抜けた。 喉が痛い、なんか血の味がする... 経験値を生かすためには運動能力が必要だったらしい...くそぉー!! 「ハァハァ、ハァハァ、つ、着いた...」 ガラッ... 開けた瞬間、クラスの視線が僕に集中した。 それもそのはず。 だって、放送で名指しされてるんだもん。 僕でも見るよ... 生徒会メンバーの席は暗黙の了解で固まっている。 先輩方の好奇心と嫉妬の視線を浴びながら、 壱哉さんの元に向かった。 「あれ、羽瑠ちゃん! なんでいるの?」 「放送聞いてなかったのか?」 「うーん?知らない!」 「ハァハァ...先輩方、ハァハァお、おはようございます...」 千景先輩と京介先輩の間を抜けて最後の力を振り絞りながら、いかにも不機嫌そうな壱哉さんの前を目指した。 「あ、あ、あの...」 「遅い。」 「す、すみ、ません。」 お、遅い!? 2分すぎただけなのに? 普通に考えて着くわけない。 僕に羽根でも生えてると思った? と、つっこみたい気持ちを堪えて、僕は頭を下げた。 「これ、放課後までに持ってこい。」 壱哉さんが指す方向には生徒会のものなのか 書類が乗っかっていた。 「...は、はい。」 見た感じ大変な量じゃないし、放課後までだったら余裕で終わるけど... わざわざ放送で呼ぶ必要なかったんじゃ... 「なんだ?足りないか?」 「い、いえ!!全然! 放課後までに必ず!し、失礼します!」 ガラッ... 「はぁ...良かった... とりあえず、これやればいいんだよね?」 キーンコーンカーンコーン... 「やばい! 朝のホームルーム!!!」

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