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24話
「ハァハァ...食堂着いた...」
食堂に向かうまでいろんな人に見られてたけど、ここの視線の量と比べたらまだマシだったな...
食堂の中で息切れてる人なんて僕しかいないっていうのもあると思うけど、放送で呼ばれたのがこんな僕だから見られてるんだよね...
それに、食堂にあるテラスはただのテラスじゃなくて...
生徒会のメンバーや選ばれたものしか入ることを許されず、一般の生徒からしたら雲の上の場所。だから、生徒の間では通称天空テラスと呼ばれている。
そんなところにこんな..僕みたいなやつがきたら誰だって見るに決まってるよね...
僕が来たいって言ったわけじゃないんですよぉ...
そんなことを思いながら天空テラスまでの螺旋階段を上がった。
『吉永様。あちらで九条様がお待ちです。』
「あ、はい。」
『では、ご案内いたします。』
案内されて向かった先には、
不機嫌そうな壱哉さんが座っていた。
「あ、あのー」
「遅い。」
入って早々、言われたのは朝も聞いた言葉だった。
「すみません...。」
待ちたくないなら、
朝の時に言ってくれれば良かったのに...
「あ、あのー、ご用件は...」
「コーヒー。」
「え?」
「コーヒーだ。」
「こ、コーヒーです..か?」
「早く作れ。」
「分かり、ました。」
え、たったコーヒーのために僕を呼んだの?
別に僕じゃなくたって、ここには有名なシェフたちがいるんだからそっちに頼めばいいのに...
僕は疑問と怒りを持ったまま、
テラスにあるキッチンに向かった。
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