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26話 レオside

「レオ先輩まで.からかわないでくださいよ...でも、そう言っていただけて嬉しい、です。」 控えめに笑った羽瑠の顔から 目が離せなかった。 「羽瑠...」 僕は...無意識に... 『触れたい』 そう思ってしまった。 「はい?」 「おい。まだいたのか? もう用はない。下がれ。」 壱哉の言葉によって 羽瑠に触れるはずだった僕の手は 彼に届くことはなかった... 「壱哉!そんな言い方は...」 「あ...すみません。 失礼します...」 タタタタタッ... 「壱哉。羽瑠に対してあたりが強すぎるんじゃないかな。」 「そーだよぉー! 羽瑠ちゃんが可哀想!!」 「別に、普通だ。 レオこそ、あいつに肩入れしすぎてないか?」 「...そんなわけ、ないよ。」 「もぅ!! ココアが冷めちゃったよ!」 この気持ちは一体なんなのか。 まだ、答えは出なかった。

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