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27話

キーンコーンカーンコーン 「...よっしゃー!部活だー! 今日も音ちゃん先輩にいいとこ見せるぞ〜!!」 ガタッ、ドンドンッ、バンッ... 「おーい?羽瑠?」 ガタンッ!ドンッ!バンッ! 「うわっ!羽瑠!危ねーだろ! ...なんで睨むんだよ!」 「別に睨んでませんけど。」 「もしかして、まだ怒ってんのか?あんなことで...」 「あんなこと?」 「い、いや!違うぞ!」 「僕のたこさんウィンナーを食べた罪がどんなに重いかまだ分かってないみたいだね?」 「お、落ち着け、羽瑠が優しいやつってことは俺がよーく分かってるぞ...」 「誰がこうさせたんだよ!」 「お、俺、部活あるから! じゃあな!!」 「ちょ!待てー!!まだ話が!... もう...」 今日は散々な日だ。 楽しみにしていたたこさんウィンナーは食べられちゃうし、あの後も放送で呼ばれるし、今日って星座占い最下位だったかな? 今日は生徒会もないし、早く帰ってゆっくりお風呂に浸かろう...あ!駅前に新しくできたケーキ屋さんでも行こうかな!! 「モンブラン♪︎チーズケーキにショートケーキ♪︎...いや、チョコケーキも捨てがたい...」 ピーンポーンパーンポーン... ん?放課後に放送? い、嫌な予感... 《1-S吉永羽瑠さんは、生徒会長室まで向かってください。繰り返します。1-S吉永羽瑠さんは、生徒会長室まで向かってください。》 「ですよね...」 『ヒソヒソヒソ...』 《制限時間は10分です。》 「そんな急ぐ理由はなんなんだよぉ...」 クラスに残っていた生徒たちの視線を集めながら急いで教室を出た。

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