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28話

コンコンッコンッ...ガチャ 「失礼します。」 「...」 僕を呼びつけた張本人は優雅に本を読んでいた。 入ってきたの気づいてないのかな... 声をかけるべき? このままじゃ帰れないし... 「あ、あの! これ、頼まれてたものです。」 パタンッ... あ、本閉じてくれた... 思ったより優しいかも 「...せっかく時間を伝えてやってるのに、なぜ守れないんだ?」 撤回。前言撤回! 優しさの欠けらも無い! その時間に守れるのは人間じゃないよ? 僕に羽でも生えてると思ってるの? 「い...いや、それは...時間が短いといいますか... 「俺が無茶を言ってるっていうことか?」 そうですけど!? むぅ...明日世界が終わるなら言ってやりたい... 「...違い..ます...」 「努力しろ。」 「はい...あ、あの〜... 放送で呼ぶのだけは、やめてもらえませんか...すごく..目立つんです...」 「目立って何が悪い」 何が問題だみたいな目で見られると何も言えないんだけど...いや!ここで引き下がったら明日の僕が苦しむだけ! 負けるな! 「で、でも放送だとトイレとか体育館とかにいたら聞こえにくいですし、音楽なんて聞いてたら反応できないかも...」 壱哉さんは少し考える素振りをして 口を開いた。 「お前の連絡先を知らない。」 「え...あ、たしかに。 教えます、教えますから... えっと...友達追加は...」 あの視線を浴びなくてすむなら 連絡先ぐらいいいよね... RAIN.•♬ 通知は翔からだった。 「あ、すみません。 友達から連絡が...」 早く終わりそうだから一緒に帰るぞー 今日は羽瑠の好きな物奢ってやるから機嫌直してくれ🫠 「フフッ...」 何この絵文字笑 反省してるのかふざけてるのか 分からないんだけど笑 「...」 やばい、今目の前には壱哉さんがいたんだった... 「すみません! 友達追加ですよね!いま...「いらん。」」 「え?」 い、いらない!? じゃ、じゃあ、また校内放送ってこと!? 僕が考えてる間に壱哉さんは違う部屋に行ってしまった。 「まずいよ!このままじゃ今日みたいな悲惨な光景が...何とか説得しなきゃ...でもどうやって...」 なんて、1人で葛藤してるとまた壱哉さんが戻ってきた。 「おい。」 「はい?」 「これに連絡する。だから持っておけ。」 「これ...誰のですか?」 渡されたのは最新機種の携帯だった。 なんで携帯? 「俺の以外にないだろ。」 「そうですけど...これ..どうしたらいいんですか?」 「これが鳴ったら必ず出ろ。何よりも優先だ。」 「な、何よりも...」 「他に優先すべきものなんてないだろ?」 ありますとも! あなた以外全て! 「えっと...僕、生徒会補佐としての仕事もあるので、優先は少し..難しいといいますか...」 「...お前は生徒会補佐じゃないぞ。」 「...へ?」 壱哉さんの言葉に僕の頭は 一瞬にして真っ白になった。 生徒会補佐...じゃない!?

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