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「……っおい、締めすぎだろ。ここ、指の腹で揉まれるのがそんなに好きなのか?」  なあ、と腹部を撫でられ、同時に更に執拗に前立腺を捏ね繰り回される。最早感覚などなかった。じんじんと痺れるような持続的な快感の波に呑まれた意識はすぐに絡め取られる。 「ぁっ、や、め……っ、だめだ、めいじっ、メイジ……っ!」 「あー……その声いい、クる」 「ぁ、ッ、や、ぅ……ッ!ぐ……ッく、うぅ……ッ!」 「勇者のもの一晩中咥えていたくせにまだ足りないのか?……本当、欲張りなやつだな」  内腿に唇を寄せられ、そのままキスをされればその感触だけでも頭が真っ白になりそうだった。そして、そのままちゅぷ、と指を引き抜いたメイジは急に塞ぐものを失い口を開閉させるそこを優しく撫でるのだ。 「大分腫れてるな、……そりゃ、毎晩あんなセックスしてりゃお前の肛門もこんなに柔らかくなるわけだな。これじゃもうただの性器だ、排泄器官とは言えねえな」 「っ、や、めろ……言うな……ぁ……っ」 「ナイトとはしたのか?」  いきなりこの場にはいない男の名前を出され、血の気が引いた。その名前に一気に現実に引き戻された俺は咄嗟にメイジを突き飛ばそうとして、そのまま腕を掴まれた。 「……なあ、答えろよ。あいつとはしたのか?」 「っ……黙れよ、誰がお前なんかに言うか、この変態野郎……っ」 「そうか、まだしてないのか。……なら丁度いい。経験はあるに越したことはない、少しは上達した方が後々将来のためにも役立つだろう」 「それに、あいつも喜ぶだろうしな」そう笑うメイジの言葉が何一つ理解することができなかった。 「ぁ、いつ……って……ッひ、ぅ……!」  先程までしつこく弄られ余計過敏になっていたそこを指でくるくると撫でられ、下腹部にきゅうっと力が入る。疼きが収まらない。やめろ、とばたつこうにもあいつは涼しい顔して笑うのだ。 「はは、見ろよお前のここ、しゃぶりついてくるぞ。もっとしてくれって」 「っ、ちが……」 「今更照れ隠す必要はない、俺とお前の仲だろ。お前が『挿れてください〜』って泣いて懇願してきても俺は構わないけどな」 「ッ……」  恥ずかしさよりも腹が立った。けれどねちねちと肛門の盛り上がった肉を撫でられてる現状、やつからは隠したいところもなにもかも丸見えであると思うと何を言ったところで同じだ。  反応するだけこいつは喜ぶ変態だ。唇を噛んで堪えようとしたとき。 「っ、な……ぁ……ッ!」  あろうことかあいつは俺の肛門を左右に押し広げる。ぎょっとした。 「健康的なピンク色だ」 「っ、み、るな、……ぁ……ッ!」 「ほらみろ、中がヒクついてるぞ。どれ、味は……」 「っ、こ、んの……ッ!ぅッ、ひ……ッ!」  あろうことかこの変態野郎は躊躇なく俺の下腹部を抱きかかえ、鼻先を押し付けるようにその開いた肛門に唇を押し付けてくるのだ。吹きかかる吐息の気持ち悪さに全身が凍りつくのも束の間、メイジはそのままべろりと剥き出しになった肉壁に舌を這わせるのだ。 「ぅ、そだろ……ッ!や、めろ……ッ!やめろ……ッ!」 「……っん、は……締め過ぎだ、力抜け……ッ」 「し、んじらんね……ッぇ、お前、クソ……ッ!」  必死にメイジの頭を鷲掴んで引き剥がそうとするがあいつは寧ろ強く俺の腿を掴んでは更に舌をねじ込んで来るのだ。唾液を流し込み、それを内壁に塗り込むようにたっぷりと舐られる感触がよりリアルで余計気持ち悪かった。指やスライムとはまた違う、まるで太ったナメクジに執拗に中を舐られるような心地悪さにただ背筋が凍りついた。

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