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ノルニ村7

 僕はエディとラロく……ラロに、自分がどういう立場の人間なのかを聞いた。  言われてみてやっと、「ああ、確かにそうなるのか……」と思ったので素直に伝えると、ラロは泣きそうな顔で「お分かりいただけて良かったです」と言った。    第五王子の婚約者。半身ということはつまり、僕は婚約者と同じ扱いになるらしい。王子様に嫁ぐお姫様のように、周りに傅かれる存在になるのだという。  そこで僕は「でも、僕は男で庶民だよ?」と言ってしまった。  が、すかさずラロが 「だとしても、国内唯一の至純さまですし。そもそもどんな方であれ、殿下のお相手の扱いはお姫様と同じだと思って下さい。この国では半身同士なら性別は関係ありませんから」  ときっぱりと言う。  でもやっぱり、僕が当然のように女の人側みたいな言い方はおかしいんじゃないかと抗議したかったけど、近くにいる無敵の王子様を見ればそんなことは口に出来なかった。    ずっと跪いたままのラロに我慢ができなくなり、みんな一緒にベッドへ座るかと聞くと、ラロは「と、と、とんでもない!!お話が終わる頃には、きっとこれもご理解いただけるはずです!」と言い切ったので、仕方なくそのままでいてもらうことにする。  エディは黙って微笑み、立ったままこちらを見守っている。このベッドに座るのは嫌なんだろうか。落ち着かない。    そんなやり取りの後。僕は自分が元々考えていた、今後についての想像を説明することになってしまった。  まず、陛下の御前に出るために作法の勉強はすると分かっていた。それは僕が庶民だから、失礼のないように当たり前のことなのかなと、手を煩わせて申し訳ないなと思っていた。  あとは、裁縫してもいいよ、布も糸もあげるよ、と言われていたので……   「僕、てっきり……作法の勉強やちょっとした儀式以外は、暗めのお部屋で、ずっと裁縫して過ごしているだけだと思っていました。確かに食事は作るのが苦手なので、誰か手伝ってくれたらなとは期待してましたけど……そうして暮らしながら、時々エディの戦場に付いていくのかなって」    僕の認識に、ラロは跪いたまま器用に頭を抱えた。  ラロは僕の乏しすぎる想像に苦しげに呻きながらも、必死に伝えてくれる。   「う、ぐ……!違います違います!お裁縫がお好きなら、もちろんやっていただいて構わないんです。でも基本的にお食事は……そうですね、そのうち、会食もあるかとは思いますが……マナーを学ばれるまでは、お部屋にお運びいたします。もちろん出来上がったものを、ですからね!?お料理を、お運びいたします。給仕がついて、お食事のお手伝いもさせていただきます」   「えっ……あ、料理は、しなくてもいいの?よかった。とても苦手だから……で、でも、食事はそんなに手伝ってもらわなくても、一人で大丈夫だよ。まだ成人はしてないけど、幼い子供じゃないんだし」   「ふー……えーとですね。そういうことではなくて……例えば、湯浴みやお召替え……お風呂も、お着替えも、お手伝いさんがきます」    これには流石に僕も驚いて立ち上がりかけた。ラロに落ち着くよう言われながらも、たまらず反論をする。   「そんな、僕……たしかに目は悪いけど、そこまでしてもらわなくても。割と何でも、一人でできるよ。エディが来る前は、ちゃんと一人暮らしをしていたんだから!」    ラロくんは歯を食いしばった。   「くぅ……っ!違うんです。フィシェルさまの今までの生活を否定したいわけではないのです。まず、当然御目のことは格別にご配慮させていただきますが、いいですか……フィシェルさまは、お姫様に、なるんです。今まではそのようにお過ごしだったのかもしれませんが、お立場が変わったのです。お姫様には、なんでもお手伝いがつくのです。一人ではやらないのです。これはそういうものなので、一人でできる・できないは関係ないんです」    僕は身体の力が抜けてしまった。とんでもない……とんでもない世界だ。母さんが話してくれたおとぎ話のお姫様も、ただ可愛く助けられる存在ではなかったのだ。あのお姫様たちにも、お城でこんな苦労があったなんて。   「お姫様って、大変なんだね……僕、全然知らなかったよ。あれ……でも、じゃあやっぱり……さっき敬語を止めるように言われましたけど、ラロさんたちには手伝ってもらうわけですから……」    口調を戻そうとすると、ラロく……ラロは手を前に突き出して、僕を必死に留めた。   「あああっいえ、だめです。従僕に敬語はだめです。もちろん他の侍従……えーお手伝いさんたちにも。だめですよ。お姫様なんですから、そういうものなんです。殿下は、召使いに敬語を使わないでしょう。そのお相手なわけですから、当然一緒ですよ。その点は殿下を見習っていただいて………………多分、大丈夫です」    ラロはたっぷり間を置いて、エディを見た。今まで黙って見守っていたエディは、憮然として返す。   「多分?ちゃんとできているだろう」   「名乗るたびに『俺……私は』と言い直しておられるお方なので!ぼく、心配なんです!」    ラロの言葉に、僕はエディの……まさに定型文のような名乗り方を思い出していた。   「……まあ確かに、ラロの言うことも……一理あるかもしれない。いやそれより、素晴らしい説明だったぞ、ラロ。フィルも、よく分かったか?」   「あ、はい。たぶん……」   「……フィシェルさま、ぼくに何でも言いつけて下さいね。分からないことでも、不安なことでも良いです。それを聞くのがぼくたちの仕事なのです。フィシェルさまが我慢されて、例えば今日のようにお倒れになると、関わった者たちが処罰されることもありますから」   「えっば、罰を?どうして?悪いのは、僕なのに……」    今日は、まだ知らなかったのだ。誰も処罰されていないといいけど……いや、ラロがここに来てくれているということは、大丈夫……だと思う。至純だとちゃんとわかるまでは、お姫様じゃなかったはずだ。   「なぜ罰を受けるのか……それは、ぼくたちが自分の仕事を怠ったからです。フィシェルさまにお仕えするのがぼくたちの仕事なので、頼っていただけないということがまず、信頼を得ていないのだと……叱られます。最悪首が飛んだり……ああええと、仕事を無くしたりするのです。いや、あまりにも酷いと、本当に首も飛ぶかもしれませんけど……」   「ええっ殺されるってこと!?そんな……そんなの、ひどいよ……」    それはあんまりだ。僕は泣きそうな気持ちになってしまう。   「いえ、ですから、遠慮をなさらずに。例えばお食事の感想でも、ちょっと御目がお疲れでも、何でもいいのです。ささいなことでも。お姫様に気持ち良く、不自由なく生活していただく。それがぼくたちの仕事です」   「迷惑をかけないよう、僕一人でやるのは……」   「それは……ぼくたちが全員仕事を失ってしまいます。お城ではフィシェルさまにお仕えする為、たくさんの人が待っているのですが……みんな、クビですね……」    一人になれば誰にも迷惑がかからないのではと思ったけれど、もう待っている人たちがいるらしい。受け入れるしかないようだ。   「あ、う、や、わかりまし……わかった。みんなにちゃんと手伝ってもらって、何か思ったことがあれば言うようにしま……す、するね」   「はい!ありがとうございます。改めまして、ぼくはフィシェルさま付の侍従、ラロです。誠心誠意、お仕えさせていただきます。どうぞよろしくお願い致します!」   「よろしく……」    僕は神妙に頭を下げた。こんな僕のために誰かが仕事を失うなんてことに、ならないようにしなければ。   「それで、早速なのですが。何かしてほしいこと、ご体調のこと、何でもいいです。なにかぼくにお教えいただけることはありますか」    そこで僕はやっと、エディに伝えたかったことを思い出した。   「僕の目のことで……エディに、言いたいことがあるんだけど」    そう言うと、ラロは明らかにしゅんと萎んでしまった。  確かに先程の話の後にこれでは、お前はいらないと言っているようなものなのかも……!?  僕は慌てて立ち上がった。しゃがんで、未だ跪いたままのラロの肩を掴む。   「違……違うよ!?ラロはこれから頼りにさせてもらうから……!えっとね、エディに、秘密だって言われてることがあって……そのことを言おうと……ああ、ごめんね。そんなに落ち込まないで。そんな、まさか……消えちゃいそう……ラロ、大丈夫だから。ちゃんと信頼してるし、これから頼るから!あれ、何で……訳がわからない?」    言い切ってから僕はいつの間にか、呆然とするラロの、"魔力"に対して話しかけてしまっていたことに気が付いて、愕然とした。  恐る恐るエディを見ると、口に手を当て、震えている。  怒っているのかもしれない!   「エディ!ご、ごめんなさい!」   「え?え?今のって、まさか読心か何かですか?」   「はぁ、もう、我慢できん。面白すぎる」    腹を抱えて笑い出すエディを、僕は困惑の瞳で見詰め、その僕をラロが同じ瞳で見ていた。      豪快に笑った後、エディもお茶を飲んで息をついた。   「ラロには言っても大丈夫だ。最初から、常に近くにいる使用人を一人くらいは巻き込もうと思っていたからな。ラロはちょうどいい。家柄などのしがらみもなく、何よりもまずフィルに忠誠を誓ってくれるだろう」   「……お話が見えないのですが……忠誠ということなら、当然です。ぼくは何よりもフィシェルさまを優先致します。と、いうより……もうホント、心配で心配で……一心にお支えせねばと魂に刻み込んだところです……」    ラロの言葉を聞いて、エディは満足げに頷く。僕はなんだか釈然としなかったけれど、口の滑らせ具合がもう手遅れなので、大人しく流れに身を任せる他なかった。    僕は顔を赤らめたラロに、そっと肩に置いた手を外され、エディに腰を持たれてベッドに座らされた。  ……そんな子猫を引き剥がすみたいにしなくても、言ってくれれば離れるのに……   「フィル。俺からまず、フィルの目についてラロに説明してもいいか?」    これには素直に肯定の返事をした。僕が話すより余程分かりやすいはずだ。   「ラロ。今から話すことは秘密にしなければならない。どの程度かというと、誰にも、一切、例え陛下にも言ってはならない。更にはフィルが口を滑らせそうになったり、仕草で露呈しそうになったときには、ラロができる限り阻止してほしい。わかったか?」   「は……はい。それは……しかし、陛下にも……?ということは……」    流石にラロの中にも躊躇いが視えた。その一方でエディは巻き込む気満々のようで、有無を言わさぬ意思がある。  やがて意を決したように頷くラロを確認すると、エディは身を屈め、小声になって話し始めた。   「内容を聞けば理解するはずだ。フィルは至純であると同時に、特別な目を持っている」   「そんな……まさか……さっきのはそれですか?」    つられてラロも小声になる。二人が身を寄せて小声になっているので、僕もなんとなくフードを被って縮こまりたい気分にさせられた。   「フィルの目は……魔力の量も、濃度も、色も、感情によって生じる僅かな揺らぎさえも視通せる。実際の視力が低いから、それを視て話す癖がある」   「え、あ……じゃあ、じゃあぼくにも、魔力があるということですか?さっきはそれを、視てお話しいただいていたと……?」   「ああ。そのようだな」    二人のやり取りに首を捻る。まるで自分に魔力がないと思っていたかのような反応だ。  ラロは僕に懇願するような視線を向けてくる。   「フィ、フィシェルさま……」   「ん?」   「ぼく、ぼくの魔力は、なにいろですか。どこに……どれくらい、あるのですか……?よろしければ、お教えください……」    僕はラロを引き寄せ、立ち上がらせた。今回は素直に従ってくれる。僕は村人の中でも割と背が低い方だけれど、ラロも同じくらいみたいだ。  もう一度改めて、全身隈なく視る。   「ラロの魔力は、淡い水色……水の魔力だよ。火を扱うより、風を切って地を走るより、泳ぐのが好きだったりしない?」   「……言われてみれば、確かにそう、なのかも……?って、えっ……ひッぁ、フィシェルさま、何をッ!?」    僕はラロのおへその辺りを突付いた。ちゃんと揺らめいている。やはりここにあるようだ。自分の背丈と似通っているので、分かりやすい。   「この辺かな……おへその辺りに、うーんと、これくらい?」   「ひゃっ」    僕は逃げようとするラロの腰を捕まえ、シャツの上からおへそを撫でた。大きさを確かめるように撫で擦る。   「う、ぅう」   「ラロ、動かないで!えーと、ここからここまで。ちょうど、本当におへそくらいだね。確かに小さいけど、ちゃんとあるよ」   「よし。フィル、もういいだろう。手を離そう。ラロも分かっただろう?」    エディに腕を掴まれた。ラロは赤い顔で何度も頷いている。   「フィ……フィシェルさま。あ、ありがとうございました」   「……そんなに、恥ずかしがらなくても。魔道具が使えないのは不便かもしれないけど、別に恥ずかしいことじゃないよ。僕は魔法はほとんど使えないけど、魔力はあるから。言ってくれれば手伝うし……あ、言えない場合は、視てさり気なく手伝うこともできると思うよ?」    そう言うと、ラロはハッとして僕を見て、エディを見た。エディは鷹揚に頷く。   「殿下……これってつまり、嘘が付けないのでは?何でも分かられたら、結構……かなり大変な気も……するんですが」   「そんなことはない。嘘もつこうと思えばつけるぞ。魔力の揺らぎを無くすか、他の感情の波の中に隠してしまえばいいらしい」   「う、うぅ……そんな。自分の魔力の存在を今知った人間に、そんな芸当できませんよ……他の方たちも、大体同じですよ」    僕は思わず怪訝な顔を向けた。   「……嘘つく予定があるの?」   「あ、いえ……そ、そういう訳では」    言い澱んでしまったラロを見かねて、エディが口を開く。   「フィル。ラロは心配しているんだ。例えば仕事なら、ちょっと嫌だなと思ってもやらなければならないだろう?いくら好きな裁縫を仕事にしていたとはいえ、フィルにもそれは分かるはずだ」    そう言われて、なんの話だろうと思いつつも、仕事で最も嫌だった案件を思い出す。    「うーん……一度、カーラさんの目を逃れた、洗濯不十分な依頼品が混ざっていたときは……とても嫌な気持ちになりました」   「まあ……そこまでじゃなくてもだな。彼らは仕事だから、もちろん主人であるフィルには平気を装うわけだ。でもフィルには視えてしまうだろう?ラロはそれを心配しているんだ。フィルが、この人はやりたくなさそうだから、といって担当を外したり、嫌がったりすると、彼らは仕事を失う。フィルも性格的に、視えてしまったら平静を装えない。城で世話をしてくれる人間を無闇に視るのは、危険なんだ」    僕はようやく理解が追い付いて、何度も頷き、納得していることを必死に示した。確かに大変なことだ。ただでさえ僕が下手なことをしたら、誰かが迷惑を被ってしまうようなのだ。気を付けなければ。   「……そうですね。確かに良くない……大丈夫ですよ、ラロの魔力は視ないようにできます。魔力にピントを合わせず、おへそを見ないようにすればいいんだから……あ、そうだ。確認したいことがあったんです」   「なんだ?」    僕はようやく倒れた原因の話に持っていくことができた。    「僕はさっき……大勢の、大量の魔力を一度に視てしまって、気分が悪くなったんです。王城に行くと、みんなあれくらい……なんですか?毎日?それだと、多分、ちょっと……つらいです」    少しでも体調が安定しなかったり、疲労が溜まっていると、多分すぐに倒れてしまう。元気な日でも、それを視続けるのは無理だ。   「ああ、倒れた原因はそうかもなと思っていた。城でのことなら心配いらない。旅の間は護衛が多くいるので、必然的に周りはある程度魔力量の多い者ばかりになる。それは隊列を変えさせよう。城にいる至純付の使用人たち……主にフィルが直接顔を合わせる者は、ラロのように魔力が少ない者ばかりだ。これは決して至純を染めてしまうことのないようにという、昔からある配慮……風習らしい」    前に、過去の至純についての文献もあると言ってきたので、それに記されていたんだろうか。僕もそれを読むことができれば、自分のことがもっと分かるかもしれないと思った。    僕がうんうんと頷き、それなら視ないようにできそうだなと考えていると、エディが更にとんでもないことにラロを巻き込んだ。   「……そうだ、ラロ。これも秘密なんだが、俺たちは半身のフリをするだけなんだ。実際に魔力交換する予定は今のところない。俺はフィルを一目見てすっかり骨抜きにされてしまったが、フィルは誰かと半身になるのは考えられないそうだ。その辺も誤魔化してもらう必要が出てくるだろう」   「え、は……ぇえ!?」   「もう、エディってば……そこまで巻き込むならちゃんと言ってください。ラロ、別にエディは一目惚れしたわけじゃないよ。演技が下手な僕のために、その方が都合がいいからってそうしてくれているんだ」    僕が慌てて訂正すると、また物凄い勢いでラロはエディを見た。   「殿下……」   「ああ。分かってる。ちゃんと考えているよ。今はフィルが王都に来てくれる状況なことを喜んでくれ」   「くっ……ぼくも、フィシェルさまの御体の事などを聞かせていただいて、苦労は承知の上でしたから……でも、差し出がましいようですが、これでは……これからお辛いのは、殿下ですよ」   「分かっている。大丈夫だ」    やはり、エディにはとんでもない負荷が掛かってしまうのだろう。申し訳なさで不安になってエディを覗うと、そっと手を伸ばされ、髪を撫でられた。  このくらいの接触なら、流石にこの数日間で慣れてしまった。それどころか今ではむしろ、エディに髪を撫でてもらうのがすきだった。あんなに嫌だと思っていたのに不思議だ。これもきっとエディの力なんだろう。     「そう不安そうな顔をするな、フィル。俺なら大丈夫だ。言っただろう?お互い利があるんだと……ラロも協力してくれる。一緒に頑張っていこう」   「……はい。エディ……僕も精一杯頑張ります。ラロも、巻き込んでごめん。これからお世話になります。多分いっぱい迷惑かけちゃうけど……よ、よろしく……」   「あの、本当に、お気持ちがお有りにならないのですか?」    ラロが必死な眼差しで言うので、僕はちゃんと目を見て頷く。   「うん。エディも僕も、お互い都合がいいから……」   「いや、でも、今」   「フィル。ラロにもちゃんと半身同士に見えているようだぞ。練習の成果だな」   「あ、ほんとですか?よかったぁ」    ラロにも、と言われてかなり安堵した。田舎の村の皆はともかく、王都の人たちにも半身同士に見えるのか、不安だったのだ。  僕たちを見守っていたラロは、ため息をついて、真剣な表情になった。   「……分かりました。そういうことなら、ぼくも協力させていただきます。ですが……殿下。ぼくは、いざとなれば、フィシェルさまの味方をしますからね!」   「……ああ。それでいい。そうでなくては困る。フィルをよろしく頼む」    一体何のことかと思ったが、エディの手が頬を擽ってきたので、恥ずかしさで疑問は吹き飛んだ。頬は初めてだし、ラロの前で触るなんて!  慌てて距離を取る僕を、ラロが複雑な表情で見守っていた。  

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