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第一章・12

 寝室のやや控え目な照明の明かりが、二人を包んだ。  くず折れるようにベッドに横たわるルキアノス。  彼を見下ろすと、たまらない優越感が湧き上がってくる。  靴を脱がせ、シャツを脱がせ、さらにボトムまで脱がせようとしたところで、さすがにルキアノスはもがいてきた。 「や……めろ……」 「苦しいだろうから、脱がせてやってるんだ」  嘘ではない、はず。  しかし、素裸になったルキアノスを眺めやり、もうここで引き返せない自分も解かっていた。  初めから、こうするつもりで彼を部屋に連れ込んだのだから。  そして自分も一糸まとわぬ姿になると、彼の上へと被さっていった。  ルキアノスの髪を指で遊びながら、ギルは貪るように唇を重ねた。  舌を差し入れ、柔らかな彼の咥内を蹂躙する。  面白いことに、ルキアノスは嫌がるどころかそれに応えて舌を絡ませてくる。  濡れた音を響かせ、ギルを求めてくる。  逞しい腕が首にまわされ、強く抱きよせてくる。  その盛り上がった筋肉に、ギルはやんわりと軽く歯を立てた。 「ん、んぁッ」  ルキアノスの上げる声は、痛みからくる苦痛ではなく性欲を感じさせる艶がある。  それを確かめた後、歯型の後を丁寧に、執拗に舐めた。  舌を肌に這わせるたびに、震えるルキアノスの体。  自分も首筋を吸われながら、ギルは淡々と彼を愛撫した。

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