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第一章・19

 荒い息、飛び散る汗、牡の饐えた匂い。  ぐちゅり、ぶちゅりと腰をやるごとに、ルキアノスの体内で自らが大きさを増してゆく。  硬く硬く、張り詰めてゆく。  枕をかき抱くように掴みしめている、ルキアノスの横顔が見える。  その顔を眺めながら、腰をやる。  体が大きく揺れるたびに細めた眼を閉じ、うっとりと息を吐くその顔が憎らしい。 「ルキアノス、そんなに。そんなに気持ちが悦いか? ルキアノス!」  騙し討ちで体を嬲られながらも、悦楽に身も心も蕩かしてしまっているルキアノスが憎らしい。  ギルの体に、強い波が訪れた。射精感が湧きあがる。 「ッく!」  急いで、抜いた。  ルキアノスの体内から、ペニスをずるりと抜き出した。 「あぁ……」  はぁはぁと荒げた息のルキアノスの目線が、ギルと交錯した。  透き通る青い眼には、快楽で流した涙がにじんでいる。  

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