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第二章・8

「ルキアノス、こちらへ!」  ギルが、そう叫んでいる。  こちらへ来い、という事か? 行きたいのは山々だが……。 「ほら、また出た!」  移動するたびに、上下左右、時には背後からまで躍り出すエネミー。  そしてその都度、拳を、蹴りを繰り出すのだが、敵はたちまちのうちに消えていなくなる。 「冷静になれ、ルキアノス。これはタッグ戦だ!」  は、とルキアノスはギルの言葉に改めて気づいた。  そう、わざわざ二人一組でのコンビネーションを求めている訓練ならば、互いに協力しないとクリアもできないはず。  とにかく湧いて出るエネミーを振り払いながら、ルキアノスはギルと背中合わせに陣取った。 「何か策が?」 「敵単体がそれぞれ速いわけではない。相手も協力し合って、私たちを攻撃しているんだ」  そう言う間にも、エネミーは高速で突きを、蹴りを放ってくる。  現れたかと思えば消え、消えたかと思えば現れ。 「見た目に惑わされるな、ルキアノス!」  ルキアノスは応戦しながら、ギルの言葉を噛み砕いた。

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