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第二章・10

 からくりが解かってしまえば戦いやすい。  後は、どこから攻撃が来るのか予測を立てるだけだ。  そしてそれは、ある程度の想像が付く。  死角だ。  敵は、死角を突いて攻撃してくるものだから。  高速で縦横無尽に移動を繰り返しながら、ギルがかわしたエネミーをルキアノスが叩き、ルキアノスがかわしたエネミーをギルが潰す。  時折走る電流の火花にはひやりとさせられたが、無数にいたかに思えたエネミーの数が、眼に見えて減ってゆく。  しまいには、神騎士のルキアノスとギルにとっては、やけにゆっくりと現れたり消えたりを繰り返す愚鈍な個体が残された。  映像を出したり消したりはしているが、この程度の速さでは、もはや残りの一体だろう。  機械の愚かしさゆえ、変わらぬ攻撃を繰り返すその姿が哀れだった。

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