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第二章・18

 肩に乗せられたルキアノスの手が、そろそろと下へ降りていく。  前にまわし、ギルの胸元をさまよう。  その小さな尖りを手探りで見つけ出し、くるりと指先で転がし押しつぶす。 「あッ」  シャワーの音で、消えてしまいそうなくらいのささやかな声。  だが、その艶はルキアノスの脳を直撃した。 「ギル……、ギルッ!」  ルキアノスの手は、さらに下方のギルの性器へと伸ばされた。  片手で慌ただしく擦り立てながら、自らのものも扱く。  やがて、水とは明らかに違う温かさと粘りを持った液体が、二人の体から漏れ出した。 「いけない」    は、とルキアノスはギルの声に既視感を覚えた。  夢と同じ。  夢の中で、そう言ったのはギルだったのか。  それでもギルの性器は、ルキアノスに弄られながらどんどん硬さを増してゆく。  一応、拒否はしてみせたよ。ルキアノス。  でも、君はここでやめることができるのかな?

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