48 / 216
第二章・19
「……っく、ぅう、ん。あぁッ……」
甘き響きはじめたギルの嬌声。
「ダメだ、ルキアノス。やめ……あぁッ!」
火に油を注ぐようなギルの妖艶な悲鳴に、ルキアノスはぐっと眼を閉じ、それから大きく見開いた。
ダメなのは俺も同じだ。
もう、限界だ。
腰がくだけて落ちてゆくギルの体を壁に押し付け、後膣に指を差し入れた。
「ぅぁッ! ルキ……ア、ノス……ッ!」
ギルの指が、壁のタイルを掻きむしる。
その姿に、欲情する。
必死であがくギルの姿に、得も言われぬエロスを感じてしまう。
サディスティックな興奮も加わり、ルキアノスはギルの体内をその太い指でかき回した。
稚拙な愛撫だが、時折体内の敏感な部分に指先が当たる。
その度にギルは悶え、自分の上げる嬌声が演技の域を越えてきている危うさに震えた。
駄目、だ。
ルキアノス相手に、本気になるなど……。
本気で抱かれにかかるなど……。
その瞬間、ルキアノスの二本の指が、ギルの前立腺を押し上げた。
「んあぁッ!」
その声に、すでに演技の色は無かった。
ともだちにシェアしよう!