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第二章・19

「……っく、ぅう、ん。あぁッ……」  甘き響きはじめたギルの嬌声。 「ダメだ、ルキアノス。やめ……あぁッ!」  火に油を注ぐようなギルの妖艶な悲鳴に、ルキアノスはぐっと眼を閉じ、それから大きく見開いた。  ダメなのは俺も同じだ。  もう、限界だ。  腰がくだけて落ちてゆくギルの体を壁に押し付け、後膣に指を差し入れた。 「ぅぁッ! ルキ……ア、ノス……ッ!」  ギルの指が、壁のタイルを掻きむしる。  その姿に、欲情する。  必死であがくギルの姿に、得も言われぬエロスを感じてしまう。  サディスティックな興奮も加わり、ルキアノスはギルの体内をその太い指でかき回した。  稚拙な愛撫だが、時折体内の敏感な部分に指先が当たる。  その度にギルは悶え、自分の上げる嬌声が演技の域を越えてきている危うさに震えた。  駄目、だ。  ルキアノス相手に、本気になるなど……。  本気で抱かれにかかるなど……。  その瞬間、ルキアノスの二本の指が、ギルの前立腺を押し上げた。 「んあぁッ!」  その声に、すでに演技の色は無かった。

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