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第二章・20

 二人から湧き出す淫液は,シャワーの水に取られてゆっくり流されてゆく。  やけに清涼な空気の中、ふたりの熱だけがどんどん上がってゆく。 「そこは……、そこはダメだ、ルキアノスッ」  そうか、ここがイイのか、とルキアノスはギルの体内をぐちぐちと探る。  二本の指で弄りながら、その双丘の挟間に自分のペニスを擦りつける。 「はッ、はッ、はぁッ! はあッ!」  荒いルキアノスの息遣いが、ギルの耳元に飢えた獣の響きで浴びせられる。  すっかりのぼせ上ってしまっていた。  ギルの前を扱きながら、ギルの後膣を探りながら、ギルの喘ぎを聞きながら、ギルの悶えを感じながら、夢中で動いた。  あぁ、ギル。  好きだ、ギル。  もう、どうしようもないんだ、俺は。  がくがくと体を震わせ、立っているのがやっとのギルから、ようやく手を離して解放した。  細かく速く呼吸しながらも、ギルの全身から安堵の色がにじんでくる。  しかし。  これで終わりになんか、できない。    ルキアノスは、後ろから両手を使ってギルの腰を引き寄せた。  まさか。 「ルキアノスッ!?」 「ギル、すまん。ギル」

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