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第二章・24

「あぁ……っ」  切なげなギルの吐息に、きつく締まる後膣に、ルキアノスも限界を迎えた。  さらに奥へ激しく腰を叩きつけると、ほどなくして一気に達した。 「ッく、うぅうッ!」  夢ではなく、現実。  俺は、ギルに種付けした。  長く尾を引く、射精だった。  喉を反らせ、薄く眼をとじ、だらしなく口を半開きにしてその余韻に浸った。  温かい。  手が。  シャワーですっかり冷たくなったルキアノスの手に、温かなぬくもりが。  いつの間にか、ギルの手が重ねられている。  その手を取り、指をからませ、ルキアノスはギルの首筋に顔をうずめた。  赤い痕が残るくらい、強く吸った。  ギルの背中の赤い傷痕はすっかり消えていたが、その首筋に新しい赤い痕が刻まれた。  絡ませた指を離し、ギルはシャワーの栓を閉めた。  ぱたりぽたりと水の名残の音が聞こえるだけで、やけに周りが静かになった。  それを合図にするかのように、ルキアノスはギルの体内から去った。  静寂の中、どんどん冷えてゆく体と心。

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