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第三章・11

 しかしルキアノスの手に出されたジェルは、ギルの後膣ではなくペニスへと塗り込まれた。   そのまま、扱き上げてくるルキアノスの手つきは、相変わらず優しい。 「どう?」 「何、が。あ、あぁッ!?」  擦られているうちに、今にも吐き出してしまいそうな射精感がギルを襲った。 「ルキ……アノス、駄目だ。やめ……手、を、ッ!」  今まで感じた事のないような、深い快感。  腰が持ち上がりそうだ。  身悶え、髪を振り乱し喘ぐギルだったが、ルキアノスは情け容赦なく責め立ててくる。 「何、を。何を、使った! ルキアノスッ!」 「俺は自分を晒した。君も、本当の姿を見せてくれ。ギル」 「私に……、何をした!?」 「そのうち教えてあげるよ。それよりさ。腰、浮いてるぞ」 「……ッ!」  ひッ、と喉が鳴る。  呼吸すら苦しい。  頬に、熱いものがつたう。  涙だ。  ふと、ルキアノスの手の動きが止まった。  あと一息で絶頂を迎えるところだったギルは、ホッとしたようなおあずけを喰らったような、複雑な思いを抱いた。  はぁはぁと荒い呼吸を整える間もなく、今度は後ろにルキアノスの指が挿入ってきた。 「あ! ぅああッ!」  どさり、と仰向けに寝かされ、上から被さるようにルキアノスが肌を擦り付けてくる。  脚は高く掲げられ、瞬く間に彼の両肩に担がれてしまった。  ルキアノスは指先だけでなく腰を動かしながら、まるで本体で貫いてくるかのように抜き差しを繰り返す。  髪が頬に触れ、熱く荒い息がギルの顔にかかる。  敏感な首筋に、かかる。  分厚い胸板の肉が、ギルの均整のとれた胸筋に強く擦りつけられて次第に汗ばみ、滑りが良くなってきた。 「う、ふぅッ! くッ、んッ、んうぅ!」 「強情だな、ギルは」  もっと声を聴かせて、とルキアノスはギルの手を取り彼自身の股間へと導いた。    

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