ギルの答えに満足したのか、ジーグはついに後ろへと手を伸ばしてきた。 　兄の脚をあられもなく拡げ、上に掲げて後膣を軽く撫でた。 「はッ、あ」 　震えと共に、切ない声が上がる。 　ジーグは舌なめずりをしてローションを絡めた指でギルの内を押し広げ始めた。 　ゆっくりと抜き差ししていた指は、その本数が増えるごとに速く激しくなっていた。 　ギルの体を弄る悦びに、ジーグはひどく興奮していた。 「あぁ、あ。そ、こは……ッ！　ジー、グ。そこッ、あ！　あぁッ！」 　ギルの啼く声もまた、ジーグを昂らせる。 　そしてギルはと言えば、ジーグに体内を委ねながら自らのものを手にして扱いているのだ。 　初めてみる兄の姿に、ジーグは抑えが利かなくなっていた。 　指を引き抜き、慌ただしくギルの内へ挿入ろうとする。 　ジーグの硬い先端が後膣に触れ、ギルはひどく悦がった。 「あ！　あぁ、ジーグ……ッ。あッ、あッ、早……くぅッ！」 　抑え込んだギルの手は、先走りの体液で濡れている。 　そのぬるりとした感触に、ジーグは挿れる前に射精してしまった。 「あぁッ！　あ、ぁ」 　しかし、後ろに放たれた刺激で、ギルもまた達していた 　。互いに繋がる前から絶頂を迎えたが、それはむしろ二人の愛欲の炎に油を注いだ。 　ギルはすぐに身を起し、一度放ったジーグのものを口に咥えた。 　濡れた咥内で抜き差しし、唇できつく締めあげた。 　ジーグもまた膝立ちし、そんなギルに腰を使った。 　柔らかに受け止めてくれる喉奥まで、肉を押し込んだ。 　ぴちゃぺちゃと、卑猥な水音が響いたが、ジーグは弟に口で奉仕するギルを卑しいとは思わなかった。 　これほどまでに愛してくれるギルの行為をただ受け止め、それに応える準備を整えることに専念していた。 （確か、ルキアノスに口でしてやったことはなかったはずだ） 　そう考えると、なおさら昂っていった。 「ギル、ありがとう。今度は俺が、お前を悦ばせるから」 　口を開け、うっとりとした表情でこちらを見るギルの表情に、ジーグは新しい何かを捉えていた。 　今まで、ルキアノスと寝てきたギルの記憶や体の変化を、この身にインプットしてきた。 　しかし今夜、これまでには感じたことのない感情や刺激を覚えている。 　そんな覚醒感を抱きながら、ジーグはギルに深々と突き立てていった。