134 / 216

第六章・18

「ギル。もう我慢できない」  上半身だけでなく、体全体を起こして上に被さろうとするルキアノスを、ギルは軽く掌で押しとどめた。  そのままで、と言う囁きはひどく官能的だった。  ぞくりと思わず震えたルキアノスの上に、ギルの方から跨った。  騎乗位の姿勢を取った彼の内に、いきり立ったルキアノスの先端が触れた。 「ぅッ、んんッ」  ぐい、と首を反らせたギルの髪が踊る。  さっきまで、指先で遊んでいた髪が散る。 「嬉しいよ、ギル」  ギルの腰に両手を掛けて、ルキアノスは自らも腰を溜めゆっくり静かに、だが深々と貫いていった。 「あ、あぁッ! ま、まだッ。そん……なぁッ!」  挿れたすぐから、動き始めたルキアノス。  ギルの髪が踊る様を見ながら、そのイメージでリズミカルに下から突いた。 「は、はぁッ、は。も、ッと!」  もっと、ゆっくり。  もっと、静かに。  そう言いたかったギルだが、途切れた声はルキアノスの炎に油を注いだ。 「もっと? もっと欲しい、って? いいよ、ギル」  もっともっと、悦くしてあげる、とルキアノスは抉るように腰を突き回した。 「んぁ、あぁ! あッ、は、はぁあ、あ!」 「ギ、ルも。ギルもッ、動い、てッ」    乞われるまま、ギルは腰をくねらせた。  ルキアノスの動きと、自分の動き。  合ったり合わなかったりと、奇妙で複雑だ。  ただその度に、内でルキアノスが暴れる。  内壁の様々な弱点を突き、こすり、抉ってくる。

ともだちにシェアしよう!