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第六章・18
「ギル。もう我慢できない」
上半身だけでなく、体全体を起こして上に被さろうとするルキアノスを、ギルは軽く掌で押しとどめた。
そのままで、と言う囁きはひどく官能的だった。
ぞくりと思わず震えたルキアノスの上に、ギルの方から跨った。
騎乗位の姿勢を取った彼の内に、いきり立ったルキアノスの先端が触れた。
「ぅッ、んんッ」
ぐい、と首を反らせたギルの髪が踊る。
さっきまで、指先で遊んでいた髪が散る。
「嬉しいよ、ギル」
ギルの腰に両手を掛けて、ルキアノスは自らも腰を溜めゆっくり静かに、だが深々と貫いていった。
「あ、あぁッ! ま、まだッ。そん……なぁッ!」
挿れたすぐから、動き始めたルキアノス。
ギルの髪が踊る様を見ながら、そのイメージでリズミカルに下から突いた。
「は、はぁッ、は。も、ッと!」
もっと、ゆっくり。
もっと、静かに。
そう言いたかったギルだが、途切れた声はルキアノスの炎に油を注いだ。
「もっと? もっと欲しい、って? いいよ、ギル」
もっともっと、悦くしてあげる、とルキアノスは抉るように腰を突き回した。
「んぁ、あぁ! あッ、は、はぁあ、あ!」
「ギ、ルも。ギルもッ、動い、てッ」
乞われるまま、ギルは腰をくねらせた。
ルキアノスの動きと、自分の動き。
合ったり合わなかったりと、奇妙で複雑だ。
ただその度に、内でルキアノスが暴れる。
内壁の様々な弱点を突き、こすり、抉ってくる。
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