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第六章・19

「んッ、んッ、くぅッ! ぅあ、あぁあ!」 「悦いね、ギル。巧いよ、とっても」  凄く感じるよ、とこちらは喋る余裕のあるルキアノスが憎らしい。  せめて彼の方を先にイカせてやる、と頑張ったギルだったが、さすがに経験値ではとても敵わなかった。  ほとんど泣き声か、悲鳴に近いギルのさえずりは、二人の接合部で生まれるぐちゃぐちゅ、ぬぷッぬぶという卑猥な音は、ルキアノスを次第に追い詰めて行った。 「あ! ギル、ごめん。内に、出、るッ!」 「……その、ままッ!」  尾を引くようなギルの啼き声に併せて、ルキアノスは解き放った。  彼の体内に、自分の存在を感じる。  そして、しっかりと奥深くで受け止めてくれるギルを感じる。  オーガズムに達したギルは、糸の切れた人形のようにルキアノスの体に崩れ降りてきた。 「愛してる、ギル」  ほとんど飛んでいるようなギルの意識に、俺の声は届いただろうか。  情事の始末をしようにも、満たされ過ぎて何もできない。  動きたくない。ずっと、溶け合っていたい。 (このまま、寝てしまおう)  ルキアノスは、そう考えた。  そして、目覚めた時にはギルが隣にいるのだ。  今度こそ、今度……こそ……。  そしてルキアノスは、ギルを胸にしっかり抱いたまま眠りに落ちた。

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