135 / 216
第六章・19
「んッ、んッ、くぅッ! ぅあ、あぁあ!」
「悦いね、ギル。巧いよ、とっても」
凄く感じるよ、とこちらは喋る余裕のあるルキアノスが憎らしい。
せめて彼の方を先にイカせてやる、と頑張ったギルだったが、さすがに経験値ではとても敵わなかった。
ほとんど泣き声か、悲鳴に近いギルのさえずりは、二人の接合部で生まれるぐちゃぐちゅ、ぬぷッぬぶという卑猥な音は、ルキアノスを次第に追い詰めて行った。
「あ! ギル、ごめん。内に、出、るッ!」
「……その、ままッ!」
尾を引くようなギルの啼き声に併せて、ルキアノスは解き放った。
彼の体内に、自分の存在を感じる。
そして、しっかりと奥深くで受け止めてくれるギルを感じる。
オーガズムに達したギルは、糸の切れた人形のようにルキアノスの体に崩れ降りてきた。
「愛してる、ギル」
ほとんど飛んでいるようなギルの意識に、俺の声は届いただろうか。
情事の始末をしようにも、満たされ過ぎて何もできない。
動きたくない。ずっと、溶け合っていたい。
(このまま、寝てしまおう)
ルキアノスは、そう考えた。
そして、目覚めた時にはギルが隣にいるのだ。
今度こそ、今度……こそ……。
そしてルキアノスは、ギルを胸にしっかり抱いたまま眠りに落ちた。
ともだちにシェアしよう!