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第七章 変容
朝、ギルを送り出した後のジーグは、ソファに腰掛けぼんやりと物思いに耽っていた。
今頃彼は、メインセンターで職務に励んでいるだろう。
同僚と、デスクワークだろうか。
それとも神騎士たちと、トレーニングでもしているだろうか。
ルキアノスと一緒に。
そういえば今日は、午後から奴と騎士候補生の前で打撃戦の指導をすると言ってたっけ。
ち、と舌打ちした。
なるほど、これが嫉妬というものか。
「俺は、ギルが、好きだ」
そう声に出してみて、だからどうした、と考えた。
この世界に慣れるまで、適当に利用してやるはずだった。
双子の兄とは言え、まるで別々に。天と地ほど違う環境で育ったのだ。
情など湧くはずもない、とたかをくくっていた。
「どうしたもこうしたもない。ただ、好きなんだ」
愚かな自問自答に独りで気を悪くし、口を尖らせそのままふて寝してしまった。
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