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第七章・5
現在、22時少し前。
これはもう駄目かな、と大きく息を吐いた。
すっかり冷えてしまったハンバーグ。
自分独りで食べる気もせず、半ば自棄にキッチンのテーブルに並べたままベランダへ出た。
煙草を吸うためだ。
室内にエアコンは入れていなかったが、ベランダへ出ると肌寒く感じた。
これから本格的な冬を迎えると、わざわざコートを羽織って煙草を吸わねばならないのか。
そう思うと、笑みが浮かんだ。
特にそこまでして喫煙したいほどの、ヘビースモーカーではない。
ただ、ギルがやらない事をやってみたいだけ。
煙草を吸う事も、そんな他愛のない考えから始めた。
今夜、ハンバーグを作った理由と同じだ。
部屋に煙草の匂いが染みつかないように、壁に黄色いヤニの色が残らないようにと、ジーグはギルに気を遣ってベランダで煙草を吸う習慣が身についた。
そしてぼんやり紫煙をくゆらせている時、おびただしい数の流星を夜空に見たのだ。
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