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第八章・18
いつしかギルの眼からは、大粒の涙がこぼれていた。
何という孤独。
何という宿業。
法皇になるために、ただそれだけの為に生まれてきたのだ。この御方は。
「私も法皇となり、運命のレールを敷く役目を継いだ。だが、そのレールも時には分岐する」
今回、それが行われた。
おまえとルキアノス。そして、ジーグの力によって。
「私の、私たちの手によって、ですか!?」
「お前たちの、これからの行いが聖地に小さな穴をうがつ。蟻の巣ほどの、小さな穴を。だがそれはいずれヒビ入り、わずかずつ少しずつ大きくなり、やがてはダムを決壊させ、洪水となってこの聖地を飲み込むだろう」
リーエンの言葉は抑揚のないものだったが、それがいっそう預言者めいた響きをもってギルを襲った。
私の行動が、聖地にそのような影響を及ぼすとは。
同時に、ルキアノスとジーグの姿が脳裏に浮かんだ。
彼らもまた、運命の渦に巻き込まれると!?
そしてその後、聖地は、ファタルは真に最終戦争を迎える準備が整う。
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